ヘイルストームのVo/Gt. として年々人気と注目が高まっているリジー・ヘイル。
つい先日、ロックダウンが続くアメリカで受けたエディ・トランクの電話インタビューがなかなか興味深い内容でしたので、要訳をお届けします。
業界内の当事者ともいえる2人は、ライブ活動の再開をどのように見ているのか。
E: エディ・トランク
L: リジー
難局でのポジティブな面
16:30
E:僕はアーティストにインタビューするといつも「忙しい中、インタビューのために時間を割いてくれてありがとう」って言うんだけど、最近ではみんな「大丈夫さ、どうせやることないしね」って笑ってるよ。
L: あははは!私も同じように感じてるわよ、スケジュールを埋めてくれてありがとうって。
私達にとっては、ツアーなどのパフォーマンス関連が全て停止してしまったわけで、今は全く違う状況になってしまってるから。
多くのアーティストがファンとの新たな繋がり方を模索してるわよね。
1つ、非常にポジティブな出来事としては、人々が団結していることね、少なくとも私たちのファンの間ではそう見える。
普段は政治で誰を支持するかとかで意見が分かれたりするけれど、今は誰もそんなことを話さずに、「元気にしてる?ちょっと気になって電話したんだけど」みたいな感じで、この難局を乗り越えようとしてるのはポジティブなことだと思う。
日常の中に起きた変化
17:50
E: キミは普段からファンとしっかりコミュニケーションを取っていると思うけど、このコロナの危機が始まってからは、より積極的にSNSを活用してポジティブなメッセージを送っているよね。
それってすごく大切なことだと思うから、どうかそうやってみんなを励まし続けて欲しいんだ。
L: もちろんよ。今はみんな家に籠らざるをえないし、私はもともと自分が戦ってきた精神的な問題についてよく話してきたしね。
今は誰もが孤独で、不安で、混乱を感じながら、これまでと全く異なる状況に置かれているもの。
例えば、料理をすることでさえそうよ。
私は料理が好きなんだけど、今ではほとんどの食材は冷凍したものを使わざるを得ないでしょ?
(アメリカではロックダウン実施中&買い物にも様々な制限が付いているため)
だから、料理するときにはまず冷凍庫から食材を取り出して、「OK、この新しいやり方に慣れなきゃね」と思うのよ(笑)
以前の何気ない日常の習慣でさえ、こうなってしまうんだから。
誰も確信を持てない現状
19:45
L: ツアーをキャンセル・中止したバンドは山ほどいるし、私達の場合は少なかったけど、4月の公演を9月に延期したの。
その延期された公演を実施できるように祈ってるけど、私たちの暮らしが元に戻った時に世の中はどんな風になるか予想するのは難しいわね。
そもそも、元に戻るのかどうかもわからないし。
E: 今後の「新しい日常」がどんなものになるのか、業界はいつから興行を再開できるのか、誰にもわからないんだよな。
僕にとって奇妙なのは、5月に予定されていた多くの大規模フェスがキャンセルになって、つい先日はロジャー・ウォーターズの7月から始まるはずだったツアーが来年に延期になった。
7月の公演もダメかと思っていると、ニュージャージーでPerforming Art Centerを運営している友人は6月1日から再開すると話している。
現状では、誰も具体的な将来のプランが見えないんだと思うんだけど、注意深く楽観視しながらも、出来るだけ早く興行が再開されることを祈るばかりだよ。
そうなったときに音楽ファンがチケットを買うだけのお金を持っていることもね。
Meet & Greet への影響
L: 私もそう願うわ。
meet & greet みたいな機会も減るかもしれないし、写真撮影は出来ても握手はわからないし…。
それでも良い音楽は依然生まれているし、私達バンドも業界の勢いを取り戻すために、チケット価格の安いショーやフリーライブをやる必要があるのかもしれない。
例えば、1つの公演で5~6つのバンドが共演するパッケージ的なライブとかね。
さっきあなたが言ったように、私も今までと全く同じ形には戻らないと思うの。でも、皆が考え方を変えれば、願わくば以前よりも良くなるかもしれない。
私達の社会は長年色々な問題で分断されてきたけど、そこにコロナ危機がやって来て、今私たちは運命共同体で、乗り越えるためには皆の力を総動員させなきゃいけないとわかったわけだから。
終/
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