全三回でお届けしてきたビリー・アイドルのギタリスト、スティーヴ・スティーブンスのインタビュー訳!
今回がその最終回となります。
前回からの続き、あのマイケル・ジャクソンからレコーディングのオファーを受けた経緯やその当時の様子が語られています。
I: インタビュアー
S: スティーヴ
マイケルと繋がったきっかけ
5:30
S: 僕は当時(Van Halen等を手掛けた有名プロデューサー)テッド・テンプルマンを通じてワーナーと契約があった。
ちょうどあの頃、後にAtomic Playboys 名義で出す曲に取り掛かっていたんだ。テッドのプロデュースでね。
僕が聞いた話では、(マイケルのプロデューサーだった超大物)クインシー・ジョーンズからテッドに電話があって、「僕らは今、”Thriller” に続くアルバムを制作しているんだけど、”Beat It” でエディ・ヴァンヘイレンをフィーチャーしたように、次に起用すべきギターヒーローは誰だ?」と。
そこでテッドが僕の名前を出してくれて、当時NYに住んでいた僕のもとにクインシーから電話がかかってきたってわけ。
I: その時は正気を失ったんじゃないですか?(笑)
S: もちろん緊張したさ。
取り巻きがわんさか…
6:45
S: 僕がビリーとのレコーディングをする時は、基本的に僕ら二人とドラマーやプロデューサーぐらいで、いつも少人数でやっていたんだ。
でも、マイケルにはきっとそういった取り巻きのような連中がわんさかいるんだろうな、と思っていたからね。あと、サルとかさ(笑)
(*完全にイジリにいってますやん…笑。しかも、バブルス君はチンパンジーね!)
それに加えて、僕はいわゆるセッション畑の人間ではなかったから、自分に務まれば良いな、という思いだったよ。
で、実際スタジオに行ってドアを開けてみると、そこにいたのはマイケル、クインシー、そしてエンジニアのブルースだけだった。
つまり、マイケルも、僕がビリー・アイドルとやっていたのとまったく同じようなやり方で制作していたんだ。
建設的だった作業
7:35
S: マイケルが「僕の頭の中になっている音やメロディはこんな感じで…」という説明があったから、僕は「OK、じゃあまずそれを一度形にしてみよう」と。
最初のヴァージョンでは長さが8分もあったんだけど、僕らは本質的に必要となる箇所をどんどん形にしていった。
その後で向こうから僕のインプットを求められたから、僕はソロを弾いたりバッキングを録音して、最終的にはあの曲のビデオにも出演することになった。
あれは非常にクールな経験だったよ。
あと、僕はあの曲が非常にダークであることにビックリしたよ、歌詞とメロディ両方の面でね。
マイケルがそんなタイプの曲をやるのは見たことが無かったからね。僕個人としては、そういうダークな楽曲の方が好きだから嬉しかったけど。
スティーヴが避けたかったこと
8:45
S: それに、僕は自分とマイケルのコラボ曲が “Beat It” のようなものにならないことを願っていたんだ。
だって、あの “Beat It” を超えるなんて無理だろ?どうやってあの曲のエディのプレイを超えるって言うんだよ?
だから、僕がコラボした曲が全く違うタイプの曲だったことは非常に良かったね。
(↓これ、エディ、スラッシュ、ジェニファー・バトゥン、オリアンティが弾いたそれぞれのBeat It のソロを並べたものです)
I: あの曲の最後の方には、あなたのトレードマークでもあるおもちゃのレーザーガンのサウンドも入っていますが、スタジオであれを取り出してマイケルに「今からレーザーガンを使うけど?」みたいなやり取りはあったんですか?(笑)
S: いいや、訊かなかったけど彼がSFファンだということは知っていたから、彼はきっと気に入ると思っていたよ(笑)
多くの人は、ギターがギターらしく聴こえないのを好むものさ(笑)
終/
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