80年代、ニューウェイブの重要なバンドだった Berlin (ベルリン)。
あのマドンナも彼らのファンクラブに入っていたというほどのバンドでした。
そのボーカリスト、テリー・ナンが YouTubeチャンネルの Proffesor of Rock で、"The Metro" について語ったインタビューの要訳をご紹介します。
I: インタビュアー
T: テリー
バンドのアイデンティティー
5:15
T: この曲は私達が初めてバンドとして仕上げた作品だったんだけど、この頃バンドとしてのアイデンティティーを模索していたの。
「私達は何者で、どのカテゴリーにフィットして、何を、どんな風に伝えたいのか?」っていうね。
選択肢は無限にある訳だから、そういった音楽的方向性を選択していかなきゃいけなかったの。
その時点で、私達は既に数年間悩んでいたんだけど、”The Metro” が完成した時に「これだ!」って感じたわ。
ダークで、セクシーで、グルーヴもあって、知的な感じもして、国際的で…何せ私達はオレンジ・カウンティ出身だったから、クールじゃなかったのよ。
I: 笑
T: でも、あの曲はクールで、ヨーロッパのサウンドっぽく聴こえたのよね。
そういった全てのアイデアがあの一曲で合体したのよ、Berlin というバンドの礎としてね。
それ以降はこの曲を判断基準として、「これは私達らしくない」とか「これはちょっとやり過ぎね」といった具合に、自分達でバンドの方向性を安定させていけたわ。
インスパイアされたのは…
6:55
I: あなたは以前、スティーヴィー・ニックスやアン・ウィルソンに影響を受けたと話していたけど、Berlinの曲を聴いてもそういうのをあまり感じないよね?
あなたが受けた影響について、もう少し聞かせてもらえる?
T: “The Metro” という曲に関して言えば、私が意識したのはデビー・ハリーだったわ。
あの曲のボーカルを、偉そうでタフでな感じにしたかったの、実際の内容はそうでないにしてもね。
あの歌詞のストーリーは、私の元を去っていく男の話だったから。
私よりも好きな誰かを見つけて私の元を去って行って、私は悲しみに溺れながら一人座ってる、みたいなね。
そんな悲しい歌詞だったけど、歌自体はタフにしたかったのよ。
あの当時、そんな雰囲気を醸し出せた唯一のシンガーは、デビー・ハリーだった。
彼女の歌にはパンクっぽいアティチュードがあったのよ。
だから、私はそれを意図的に “The Metro” に取り入れたの。上手く行ったと思うわ。
泣きの演技の裏側
8:45
I: あのMVもすごく良かったよね。あの頃は、MTVが拡がって、人々にこれまでと違うポップミュージックの楽しみ方を提供していたから。
でも逆に、それは(MVを撮らなきゃいけない)アーティストにとっては骨の折れる仕事だよね。
あなたはあの泣いているシーンで何度も何度も同じ演技をさせられたんだって?
T: 爆笑。ええ、そうだったわ。
撮影できる日が2日しかなくて、1日目が “Sex I’m A…” のビデオ、次の日に “The Metro”、翌日にはツアーに向かうフライトに飛び乗らなきゃいけなかった。
だから、絶対にそこで撮影を終わらせるしかなかったの。
で、あの私が泣いているシーンは撮影の最後の方で、時間は真夜中の3時、もう私は使い物にならないぐらい疲れ果ててたの。(動画内ではピー音付きの表現・笑)
「もうヤダ!!これ以上無理!!あなた達全員大嫌い!自分自身も嫌になるわ!」って感じで、あれは本気の涙だったのよ。
そしたらディレクターが「それ!それだよ!完璧だ!」って、まさに彼が望んでいた演技になったわけよ。
「テリー、あと5時間この調子で行こう!」とか言われて、私は
Noooooo! I can’t do this anymore!!
って泣き叫んだわ(笑)
終/
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