キップ・ウィンガー #1 / 延期公演調整の難しさ


自身のバンド Winger でも活動する傍ら、多くのミュージシャンのキャリアをサポートし、その面倒見の良さでも知られているキップ・ウィンガー。



先日、アメリカの有名DJ エディ・トランクの番組に出演し、コロナの影響や今後の活動について語りました。


今回は、その要訳の前編をお届けします。


E: エディ・トランク

K: キップ・ウィンガー



刻々と変わる状況


1:05


E: 今や誰もがコンサートの組み直しを余儀なくされているわけだけど、キミのスケジュールにも影響出てるだろ?


K: ああ、5~7月のコンサートは全て10~12月に延期になったよ。一部のショーはもう来年だね。



僕らよりももっと規模の大きい夏の興行もことごとく延期・キャンセルになってるけど、同じようなことが僕らにも起きてるよ。


現段階でまだ延期になっていない最初の日程は7月のものかな。でも、これも1日単位で、下手したら1時間で状況が変わっているからね。



公開打ち合わせ!?


1:59


E: 僕はイベントの主催者として、または取材記者として、色んなバンドがツアーしている間にあちこちでキミたちと会うよね。



今、偶然僕も自分のスケジュールを見てるんだけど、僕の手元のものが間違いでなければ、6月に僕がホストを務めるWingerのライブがヒューストンであるんじゃないか?


それってまだ予定通りなの?


K: えーと、12日か?


E: それだよ。僕の方にはWinger, John Corabi, Bullet Boys & Eddie Trunkって書いてあるんだけど?



K: 実は今朝メールが届いて、彼らはそのショーを……ドラムロール頼む!


E: あははは!頼むぜ、オレのスケジュールが空いてる日にしてくれよ!?


誰もまだオレに教えてくれてないぞ!?出演者リストの最後に載るというのはこういうことだ(笑)


(*当然、メインアクトや集客力のある人のスケジュールから優先されるので)



K: えーと、10月2日だ。いけるか?


E: まぁ、多分大丈夫だ。どうせ元あったスケジュールは全て白紙になってるしな。


今ここで知れて良かったよ(笑)


(*こんなラジオの番組内で出演者同士がガチのスケジュール調整してる時点で、どれだけ先行き不透明かがわかりますよね…汗)



再調整は至難の業



K: こういう再調整は難しいんだよ。例えば、三夜連続でショーを組んでたのに、真ん中だけが先に延期や中止になってしまうと、その次の予定にも影響が出てしまうんだ。


僕らでこれだから、もっと規模のデカいツアーのプロモーターの苦労ったら想像を絶すると思うよ。血眼になってやってると思う。



E: ほんとにそうだよな。だって、もともと秋口に決まっていたスケジュールがあって、それをずらして現状延期になっているショーをねじ込んでいってるわけだから。


しかも、その気温が下がる秋になって、またコロナが再発してロックダウンになるかもしれないわけでさ。


今の状況は、キミたちのようなツアーバンドはもちろんのこと、ライブハウスやツアーのクルーなど裏方の連中にとっても極めて困難な状況だよな、国を問わずね。



K: そうなんだよな。エンターテイメントは、非常時には真っ先に切られて、戻るのは一番最後なんだ。


続く…