Mr.BigやDavid Lee Roth Bandから最新のSons Of Apollo (以下SOA)まで、ずっと凄まじいベースを届けてくれているビリー・シーン。
HR/HM系ポッドキャストのホスト、ミッチ・ラフォンによる最新インタビュー要訳Pt.2です。
今回はSOA特有のプレイ、ベテランバンドのライブ事情等を語ってくれています。
I: インタビュアー
B: ビリー・シーン
キーボードとのアンサンブル
3:00 ~
I: 最新アルバム”MMXX”について聞かせてほしいんだけど、このアルバムではサウンド面での進化があり、バカテクのスーパーグループやただのプログレではなく、SOAとしてのサウンドを構築しているように感じるんだけど。
B: このバンドではキーボードのサウンドが多く入るんだけど、それが低い周波数域なので僕もそれに合わせてチューニングを下げたベースを使うんだ。
そんな状況ではそこまで派手なプレイが出来ないんだよ、音が低すぎて人間の耳には聴こえないんだ。ベースの弦なんて洗濯物を干すためのロープみたいに太いんだから。
このキーボードと一緒にプレイするということが、僕にとっては非常にクールな経験なんだよ。
キーボードの音の配列というのはベースのフレットの配列とは全然違うだろ?
例えばあるフレーズをそのままベースでプレイしようとすると、全くもって上手く行かないわけさ。
そこでしっかりと探求し、どうにか自分で上手くプレイする方法を編み出さなければいけない。
こういう「さて、問題だ…何とか解決しないと」というような経験は、僕にとって非常に意味のあることなんだ。
新曲を出さない理由
4:00 ~
I: 50年もプレイしてきてなお、未だに新たな発見と情熱があるだなんて素敵なことだと思わない?
B: 僕は毎日何かしら新しいことを学んでいるよ。
I: 最近僕はGrand Funk Railroad のドン・ブリューワーと話す機会があったんだけど、彼らは1983年から新曲を全く出していないらしいんだ。
B: 僕はグランドファンクの大ファンだけど、ドンは天才ドラマーだよ。
I: もちろんその通りさ。
だけど、(96年に再始動して以降現在に至るまでずっとツアーを行っているのに)そんな長い間ずっと新曲無しで毎晩ステージに上がり続けるって、一体どんなモチベーションでやれば…
B: 残念ながらこういうことさ。
例えば、キミがバーにいてそこでバンドがプレイしていたとしよう。プレイしているのはそこの誰も聴いたことがない曲だ。
で、彼らが「ガッ、ガガガッ」(AC/DCのBack In Blackを口ずさむ)とプレイし始めた途端、そこの客たちは「イェーイ!」と盛り上がるわけだ。
人は皆、自分が知っている曲を聴きたいものなんだ。
人が曲に馴染むプロセスというのは非常にゆっくり起こるもので、二回、五回、十回と聴いて、ある日突然夢中になり、その人の一部になるんだ。
だから、そういった伝説的バンドがそうなるのもよくわかるよ。
続く…
後半の発言はすごく重いなぁ、と感じました。
この数年でデフ・レパードやエアロも同じような発言をしていますし、つい先日にはガンズのスラッシュから「(GNR名義で)新曲が手元にあっても、出す意義がない」という趣旨の発言がありました。
今の音楽市場を考えれば、作り手がそうなるのは当然の結果だと思います。
が、ファンとしてはやはり「現在進行形のバンドの音」を聴いてみたいのも事実…。
0コメント