ポール・ギルバート×ハーマン・リ、熱く語る!


まさに「神々の戯れ」とでも言うべき対談!


Dragon Forceのイケメンシュレッダー、ハーマン・リが、Mr.Big のポール・ギルバートを自身のチャンネルに迎えてのギタートーク!


私もサラッと冒頭だけ聴くつもりが、当然密度の濃い内容にどんどん引き込まれてしまいました!



当然二人による圧巻のジャムもあり、ポールが教えるウォームアップ術もあり、ギターを弾く方もそうでない方も楽しめる内容です!


P: ポール

H: ハーマン



ポールがギターを寄付


1:00


H: あなたが(ジェイソン・ベッカーのためのチャリティーに)寄付してくださったギターをここで紹介させてください。


P: このギターは星野楽器から発売された僕のモデルなんだけど、星野楽器というのはIbanez Guitars やTama Drums ブランドの親会社でね。


もともとは書店として始まったこの会社が90周年を迎えた時に、僕やスティーヴ・ヴァイ、ジョー・サトリアーニの三人だったかな?の特別モデルを制作してくれたんだ。



ヴァイやアンディ・ティモンズとのステージでプレイした一本だよ。


このギターが僕の元を離れて、購入者がこの素晴らしいトーンを楽しんでくれたり、それによってジェイソンの支援に繋がれば良いな、と思ってね。


H: このギターを寄付してくださって本当にありがとうございます。



P: こちらこそだよ、ジェイソンのためにこういう企画を立ち上げ、色々と動いてくれてありがとう。



全楽器自らプレイ


3:15 


H: 先日出た新作では、すべての楽器をご自身でプレイされたそうですね?



P: ああ、「一か所のスネアの連打以外」ね!


(ドラムは叩けるけど)僕は基礎からしっかりトレーニングを積んだドラマーではないからね。


なので、そのフレーズだけはドラマーを呼んできて叩いてもらう必要があったんだけど、それ以外のベースやちょっとしたキーボードは全て僕だ。


あと、インストアルバムだったから、本来自分がボーカルで歌うようなメロディーをギターで表現しようと試みたんだ。



中には過去にはやったことがないプレイもあってね。


作曲時にあるメロディが浮かんで、そこには自分が想定した歌詞もあったんだけど、一つの音が7拍続く箇所があるんだ。


きっと僕が今までプレイしてきた中では「一番長い同一音」だと思う。


曲の序盤にイメージした歌詞は、僕のこのギター、Fireman に関することなんだ。



このギター、こうやって裏返しにしてここを隠すとIceman みたいになるだろ?


そしてもちろん、Iceman を弾いてるもっとも有名なプレイヤーと言えば、KISS のポール・スタンレーだ。



僕は「KISSのメンバーが使っているのを逆さまにしたギター」というテーマで歌詞を書いたんだ。


(↓4:20~実際に想定した歌詞で弾き語ってくれていますが、これはビートルズみたいなメロディで素敵です!)



PG: で、僕はこのメロディーをギターでこんな風に弾いたんだけど、後の方にこういうロングトーンが出てきて、これが7拍あるんだ。(↑5:08~)


多分、これは過去にやったことがないよ、16分音符の三連符みたいなのはいつもやるけどさ…


あれ…計算できなくなっちゃった!16分音符の三連符だと一拍にいくつの音が入るんだっけ!?


H: 私もわかりませんよ!(笑)


(*ポール、ここまでハイテンションで喋りっぱなしなので、頭を使い過ぎたんだと思います…笑)



ウォームアップ&ジャム


5:40 


この後「ジャムろうぜ!」ということになり、ポールが開発したピッキングのウォームアップ術を紹介してくれています。


当然、やらなくてもわかる「しんどいやつ」です…(笑)



「全てアップストロークで」違うリズムに合わせてブリッジミュートを続けるそうです…


ハーマンでさえ「これは全く簡単じゃないですよ!後で僕もトライしてみます」とのこと。


6:15 


当たり前ですが、両者めちゃくちゃ上手いです!(笑)



何が良いって、お二人ともすごくテクニカルなことをやっていても、ちゃんとそこにメロディがあるんですよね…


アドリブでこういうメロディを意識したプレイが出来るのはほんとにすごいと思います!



記憶力について


7:20 


セッションを終え、ポールのプレイを聴いて驚いたハーマン。


H: あなたはすごく記憶力が良いみたいですね!私なんかは新しい曲を覚えたら一つ前の曲を忘れちゃうんですよ。


P: 笑


H: ライブのセットリストに足りる14曲を覚えるので何とか、というレベルですよ。



P: でも、キミが覚えなきゃいけないのはかなり難しいやつばかりだろ?


僕にも同じようなのがあって、僕のインスト曲なんかはほとんどそういうタイプさ。あまりにも複雑すぎてすぐには思い出せないよ。


でもさ、Beatles の曲なんかはすぐに思い出せるだろ?


彼らの曲は「人々に記憶されるべく作られた曲」なんだよな。まさに優れたポップソングライターのマジックだ。



例えば、”Hey Jude” なんて二回も聴けばあの “Na Na Na~”が頭に入って、曲が終わるまでに曲の構成を把握できちゃうだろ?(笑)



ギターとリズム


9:15 


H: 私達が常にテクニックを磨いているのは、「ギターをもっと歌わせるために」ではないでしょうか?


もしくは「心の中に思い描いているもの」をより正確に指で表現するために。



P: これは「僕らにとっての声」なんだよ。


僕らがギターで表現できる多くのことは素晴らしいけど、それは実際の「人間の声」とはもちろん異なる。


Racer Xに “Scarified” という(インスト)曲があるんだけど、家で歌う時にあんな風に歌う人はいないわけでね。



例えば、歌う時に “Eruption” みたいな歌い方する人はいないだろ?


あの曲がリリースされたのは僕が11歳の頃だったけど、僕らの世代のギターキッズは皆「あれこそが目指すべきプレイだ!」となった。


でも、それが僕らを混乱させたんだ。


だって、あれはエディのフリーフォームだろ?リズムが無いわけさ。


もちろんフリーフォームが悪いってことじゃないよ?



でも、最終的には、エディの後ろでアレックス(・ヴァンヘイレン)は次の曲に入るのを待ってるわけさ(笑)


僕らは「リズムに合わせてプレイする」ということを学ばなきゃいけないんだよ。


だから、僕は自分のオンラインギタースクールのレッスンでは、生徒に足でリズムを取らせるんだ、ちゃんとリズムを感じられるようにね。



メトロノームに合わせて弾かせてるのに、そのリズムを完全に無視して弾くプレイヤーをこれまで何人見てきたことか!


でも、足でリズムを取らせると無視しづらくなるんだ。


もちろん、バンドでプレイする時にはドラマーがいるわけだけど、ドラマーだけが正確なリズム感を持っていれば良い、ということじゃないと僕は思うんだ。


終/



ちなみに、22:15 ~普段ブルースをプレイしないハーマンが、ポールにブルースのコツを習っているのですが、こちらもスゴイです。



ポール・ギルバートに教わるハーマン・リ…これ、タダで見れて良いんでしょうか!?笑