アリス・クーパー #2 Yardbirds の前座・Zeppelinって誰?


前半から少し間が空きましたが、アリス・クーパーのインタビュー後編!


前回はビートルズの影響の話が出ましたが、今回のテーマは・・・


「コピーバンドが本家の前座」「Led Zeppelin って誰?」「ステージ演出のトラブル」などです。



I: インタビュアー

A: アリス



多くの英国バンドがクラブで


9:25


I: 先ほどの話で、The Yardbirds のコピーをやられてたとのことでしたが、あなたが彼らのライブの前座を務めた時、あなたはまだ高校生だったんですか?



A: あぁ、そうだね。


I: それほど若くしてこの世界に入ってみて、あなたはどのように感じましたか?


A: 私達にとっては本当に素晴らしい経験だったよ。


あの頃、毎週のように新しいバンドがイギリスから我々の地元を訪れ、クラブでライブを行っていたんだ。


私達からすれば、「イギリスには一体どれほどのバンドがいるんだよ!?」って感じだったね。


ビートルズやストーンズを知った後には、The Searchers やThe Kinks とか。



私達のバンドは、フェニックスで一番大きなライブハウス・VIP Clubでハウスバンドをやっていて、いつもはそこで自分達の公演も行っていた。


で、そういったイギリスのバンドがフェニックスに来た時には、彼らはまだアリーナでプレイしておらず、小さなクラブを周っていたんだ。


我々のバンドは、よくそういうバンドの前座を務めていた。The Birds、The Loving Spoonful、Them とかね。


そして遂にある時、クラブのスタッフから「そういえば、来週はThe Yardbirdsが来るぞ」と知らされたのさ。



本家の目の前でプレイ!


10:40


私達はそれを聞いてあっけにとられ、「え!?嘘だろ!?」という感じだったよ。だって、我々は彼らの曲ばかりプレイしていたから(笑)


当日、我々は本家The Yardbirdsの目の前で、全曲The Yardbirdsのカバーでオープニングを務めたよ(笑)



I: 最高じゃないですか(笑)


(*普通、本家がその後にやる曲をオープニングアクトが先に出て行ってプレイしてしまうって、嫌がられそうですよね!笑)


A: 彼らは私達に向かって親指を立てて「いいぞ!」って感じで応援してくれて、すごく良い人達だった(笑)


もちろん、その後の彼らのプレイには度肝を抜かれたけどね!ジェフ・ベックがいた頃さ。



I: それって、The Yardbirds ファンからすれば夢のコンサートじゃないですか!


最初にコピーバンドが出てきて彼らの曲をプレイし、その後本家が出てきてまた彼らの曲を聴けるっていう…



Led Zeppelin? Pink Froyd?


11:10


A: あの頃はね、シーンにもすごく独特の雰囲気があったんだ。


我々はそのThe Yardbirds の一件の後、遂ハリウッドのWhisky a Go Goでプレイする機会に恵まれたんだけど、それはとてつもなく大きなことだった。



当時のウィスキーでは、あのThe Doors がハウスバンドを務めていたからね。


で、我々が実際に会場に行ってみると、Led Zeppelin & Alice Cooper at the Whisky って書いてあるわけ。


この頃なんて、(アメリカでは)「Led Zeppelinって誰?」って感じだった。



I: 笑


A: 誰もこの二組の名を知らなかったような時代さ。我々もただのローカルバンドに過ぎなかった。


そして、そのZeppelinとのショーのまさに翌日、今度はPink Floyd とかいう連中と一緒にライブをやったんだ。


I: 彼らも「誰?」って感じだったわけですね?(笑)



A: その通り(笑)誰もこういったバンドのことをまだ認識しておらず、バンドが生きていくのにもがいていた時代だね。


I: でも、とても楽しかったんじゃないですか?


A: あぁ、ほんとにね。


考えてごらんよ、ジミ・ヘンドリックスやジム・モリソンがその辺を普通にウロウロしてたんだよ?


彼らと切磋琢磨してたのさ。



ステージ演出のトラブル


15:30


I: あなたのステージはシアトリカルで様々な仕掛けがありますが、本番中に不具合などで演出が上手く行かないことはありますか?



A: あぁ、そういうことは日常的に起きるよ。


リハーサルでは何度も何度も練習して上手くいってたのに、いざ本番で1万人の目の前でやる時にトラブルが起きて上手くいかない、みたいなね(笑)


こんな時は自らコメディ的に演じるしかないさ。


過去に一度、絞首台の演出でマジで窒息しかけたことがあったな。



客席から見えてる縄のロープとは別に、長さを調整した細いピアノ線が張ってあって、それのおかげでロープが直接喉にヒットしないようにセッティングされてたんだけど、本番でそれがバチっと切れてしまってね。


気道を確保するために、反射的に顔がグイっと上に向いて何とか助かったけど。


I: えぇー!公演は無事に終えられたんですか?


A: あぁ、次の日にはそのピアノ線が14倍太くなったよ(笑)



当時、こういうのは「実際に事が起こるまで考えなかった」ことなんだよ。


いちいち「そういえば、この演出何回やったっけ?150回か…じゃあ、そろそろピアノ線が劣化してきてるかも…」なんてさ(笑)




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