Def Leppard のギタリスト、ヴィヴィアン・キャンベルのロングトーク抜粋訳Pt.3!
今回は、長年ヴィヴィアンの愛機として有名な「レスポールの秘話」「Holy Diver制作時の話」がメインです。
*ただし、機材等の細かすぎる話は省略させて頂いております。
I: インタビュアー
V: ヴィヴィアン
トレードマーク、黒のレスポール
13:20
I: あなたが Sweet Savageでキャリアを初めて以降、DIOでも使っていたのが黒いレスポールです。
あれは1977年製でしたっけ?
V: 多分、77年製だと思うんだ。シリアルナンバーが72987537なんだけど、ネット上の賢い人達が一桁目と五桁目が製造年を表している、と教えてくれてね。
今、手元にあるんだけど(と言いながら、実際に見せてくれています/13:45)
このギターはほんとにずっと使ってるし、長年ありとあらゆる工程を経験してきたんだ。
*ピックアップだって何度も載せ替えてきたし、元々はワインレッドのレスポール・デラックスだったからね。
*ピックアップ
ギタリストのインタビューでよく出てくる言葉ですが、これはギターにとってのマイクに当たるパーツで、ある意味「心臓」のような部分。
数えきれないほどの種類が存在し、このパーツ次第で音の質はかなり変わります。
待ちくたびれた一本
14:30
I: このギターを入手した経緯は?
V: 元々、僕はゴールドのレスポール・スタンダードを注文したんだ。
その店はGuitar Centerのようなギター専門店でなく、典型的な個人経営の町の小さな楽器店だった。
頭金を入れた後、何か月も待たなきゃいけなかったよ。週に一度、スクールバスを降りたらその店を訪ねて、進捗を聞いてさ。
「まだ入荷の連絡はない?」「まだだね」みたいなやりとりがずっと続いたんだ。
で、ある金曜日、訪ねてみると「良いニュースと悪いニュースがある」と言われてね。
「確かにレスポールは入荷したんだけど、それはスタンダードではなく、レスポール・デラックスで色もゴールドではなくワインレッドだ」と。
当時、スコット・ゴーハムが同じレスポール・デラックスのサンバーストカラーをThin Lizzy で使っていて、僕はTVの歌番組でそれをよく目にしていたんだ。
だから、「スコットが満足するようなギターなんだから、僕にとって悪いわけが無い」と考えてね。
しかも、もう何か月も待ちぼうけを食っていたから、それ以上待ちたくなかったし。
オリジナルのパーツは2つのみ
15:20
V: 結局、僕はそのギターを購入して持ち帰り、その日の夜に紙やすりで表面の光沢仕上げを削り落としたんだ。
(*右上のインタビュアーの「えーっ!」という表情・笑)
なぜそんなことをしたかというと、さっきも話したように僕にとって最初のギターヒーローはロリー・ギャラガーだっただろ?
彼のギターは剥げ剥げで、実質的には塗装がほぼ載っていないような状態だった。
(その憧れがあるので)僕は今でも光沢のある仕上げが好きじゃなくて、使い込んだ風合いや歴史を感じさせるルックスの方が好きなんだ。
(*個人的な長年の疑問が解けました!笑)
I: でも、初めてのレスポールを手にした十代のキッズにとっては、なかなか大胆な一歩ですよね?
V: あぁ、でも僕は自分が欲しいものを理解していたからね。
その数か月後、ベルファストにギター職人がいると聞きつけてまた貯金を始めたんだ、フルサイズのハムバッカーに載せ替えてしてもらうためにね。
その時にディマジオ製のピックアップを付けてもらったんだ。(恐らく、多くの方が写真で見たことのある状態)
あと、色もこのマット仕上げのブラックに塗り直してもらった。
それからもあちこちを改造したり(←細かすぎるので省略)、消耗箇所をメンテしたりしながら使ってるよ。手を加えていない箇所が無いくらいさ。
(ボディ裏を見せながら / 16:57)この裏の(電子部品を覆う)カバーあるだろ?オリジナルの状態なのは、この2つのカバーぐらいじゃないかな(笑)
Holy Diver 制作時
17:15
V: ピックアップも何度となく載せ替えてきたけれど、さっき話したディマジオを付けていた時にSweet Savage や DIOの”Holy Diver” の大半を録ったんだ。
ただ、”Holy Diver” のレコーディング終盤には、また別のピックアップに載せ替えたんだ。LAで制作していて、選択肢がグッと増えたしね。
I: その時はどこのピックアップに載せ替えたか覚えていますか?
V: それが全く覚えていないんだよ。あの”Holy Diver” の頃はずっとギターをイジってたからね、あらゆるものを試してたよ。
それこそ、載せ替えた次の週にまた別のピックアップが載ってるなんてこともあったよ。多分、暇だったんだろうな(笑)
タッチの軽さとEVH
23:40
I: (弾き方の話の中で)エディ・ヴァン・ヘイレンもクリアなトーンで、かつ*タッチが柔らかかったですよね?
(*弦を押さえる指やピッキングの力加減)
V: そうだね、エディの冥福を祈るよ。彼のプレイ、特に右手の動きは非常に繊細かつ華麗だったし。
あれは僕が真似のできないプレイだったよ。僕が影響を受けたギターヒーロー達、ロリー・ギャラガーやゲイリー・ムーアのピッキングは非常に豪快で力強い感じだったからね。
僕はエディのプレイを聴くまで、そこの影響に深入りし過ぎていたように思う。でも、それが返って好都合でもあったんだ。
僕がLAに来た頃、カリフォルニアのギタリスト達は誰もがエディのようにプレイしようとしていることに気が付いたんだ(笑)
ロニーはそういった「エディみたいになりたい奴ら」に囲まれてうんざりしていたから、僕を起用したんじゃないかな。
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