Toshi Yanagi (Jimmy Kimmel Live) #2 / 国産ギター&シェーンの日本語


80年代半ば、ギターで食べていくと決意して19歳でカリフォルニアへと渡った日本人ギタリスト、トシ・ヤナギさん。



近年ではアメリカの人気トークショー、ジミー・キメル・ライブのハウスバンドのメンバーにも抜擢され、異色の経歴を歩まれている方です。


そんな彼がスラッシュのThe Conspirators のメンバーとB’z の元サポートドラマー、シェーン・ガラースで構成されるカナダのバンド・TOQUEのチャンネルに出演。


シェーンも日本での生活が長かっただけに、非常に面白いトークが繰り広げられています。



今回のテーマは「クラシックからロックへ」「初期のギター」「日本の音楽活動事情」「シェーンの日本語」です。


TK: トッド・カーンズ

S: シェーン・ガラース

C: コリー・チャーコ

B: ブレント・フィッツ

T: トシさん



クラシックからロックへ!


18:20 


T: (ギターにのめり込む前まで)僕は、小学生から大学生で構成されるジュニア・フィルハーモニー・オーケストラに所属してバイオリンを弾いていたんだけど、毎年9歳とかの子供が入って来てガンガン上手く弾くわけ。


そんな子達と競っても勝てると思えなかったし、規則もすごく厳しくてね。



ある日、ヨーロッパ遠征へのオーディションがあったんだけど、それに向けて僕は全然練習していかなかった。


すると指揮者に呼び出されて怒られたんだ、「もっと練習しなきゃダメじゃない」って。そこで僕はもううんざりして「辞めます」と告げて、練習場を出ていったのさ。


TK: めちゃくちゃロックなエピソードだね!バイオリンを捨ててギターに持ち替えたってわけだ。



GrecoにFujigen !?


19:20


TK: ギターを始めてから、すぐにそれなりに良いエレキギターを買ったの?それともアコースティックから入った?


T: あの頃は、グレコとかアリアプロを持ってたよ。(*共に日本のメーカー)



TK / C: ああ~、グレコね!


T: 当然、ギブソンやフェンダーは高くて買えなかったよ。


C: グレコのギターって、結構人気だったんだよな。グレコがフジゲンに変わったんだっけ?オレの後ろに掛かってるギターの中に、一本フジゲンのがあるんだ。


T: グレコがフジゲンに変わったかどうかは知らないけれど、でもとても良いギターだったよ。



TK: グレコはとても面白いブランドで、手ごろで質の良いレスポールとかを作ってたよね。でも、多分そういったコピーモデルの販売が原因でトラブルに直面した可能性もあるけど。


*すごい話ですよね!カナダ人の彼ら(しかもTKに至ってはベーシスト兼Gt/Vo)からグレコやフジゲンの名前が出てきて、これだけ知ってるなんて!



日本の音楽活動事情


20:20


TK: それからどのくらいでバンドを組んだり、曲を作るようになったの?


T: あの頃はバンドでVan HalenやNight Rangerのカバーをやったりしたよ。



TK: Night Ranger か!いいね!


S: 面白いことに、カナダでは、バンドをやるとなったらメンバーの誰かの家の地下室がスタジオ代わりになるんだけど、日本ではそういったことは出来ないんだ。人口密度が高すぎて、騒音問題になるからね。


だから、彼らは時間貸しのリハーサルスタジオに行って練習するのが普通なんだ。



T: そうだね、日本ではレンタル・スタジオと呼ばれてるよ。


S: キミが若い頃も同じような感じだった?


T: ああ、もちろんさ。


S: それって、オフィスビルの中に仕切られた小さな部屋がいくつかあって、それぞれにPA卓とか機材が置いてある感じ?



T: その通り。


S: で、練習する時は「じゃあ、今度の水曜日に〇〇スタジオに16時に集合、2時間で~の曲を練習しよう」って具合だよね。


T: そうそう、もしくは事前に家で各自練習をしておいて、スタジオではバンドで合わせる練習をしたりね。


あの頃はスタジオに置いてあるアンプが嫌いだったよ。



だいたいジャズコーラスか、フェンダーのツインリヴァーブだったんだよ、歪まないやつ。「もっとラウドに鳴らしたいのに!」っていつも思ってたよ。


TK / C: (笑)わかるよ!


TK: (エフェクターの)チューブ・スクリーマーか何かを持っていかないとな。



言語の壁を越えた二人


23:15


B: (今住んでる)LAにはいつ来たの?


T: LAに来たのは1986年だね。その前に一年半くらいサンフランシスコにいたんだ。19歳の頃かな。


C: なぜサンフランシスコに?



T: 友人があの街の英語学校を知ってたんだ。あの頃、僕は全く英語が出来なくて、言えることと言えばHiとI’m hungry ぐらいだった(笑)


S: オレは19歳の頃、故郷の小さな町からカルガリーに出たんだけど、それでもすごく大きなことだと思ってたんだ、故郷から一時間ぐらい離れた所でさ。


でも話す言語は同じだし、国内で見れば同じセントラル・アルバータ地域だしね。



でも、日本からカリフォルニアってのはスゴ過ぎるよ。しかも英語が全くできない状態で来るなんてさ。


B: トシ、シェーンの日本語って上手なの?


T: かなり上手いよ!(笑)



司会: シェーン、Hello, I’m hungry を日本語で言ってみてよ!(笑)


S: 例えば、I’m full は「(オナカ)イッパイデス」だ。


司会: おいシェーン、ちゃんと質問に答えろって!I’m hungry は!?


全員: 爆笑


S: 「コンニチハ、トシサン。腹ヘッタデス!」



T: ほら!今シェーンが言ったのはスラングっぽい言い方なんだよ!


TK: へぇ、すげぇじゃん!


T: 日本人のガールフレンドがたくさんいるんじゃない??(笑)


続く…