2006年から現在に至るまで、様々なメンバーでのGuns N' Roses を支えてきたドラマー、フランク・フェラー。
ここまでの2回の記事でキャリア初期から盟友リチャード・フォータスとの出会い等、様々なことが語られてきましたが、今回が最終回!
今回は「楽曲・プレイヤーで異なるフィーリング」「ライブ中の失敗」についてです!
I: インタビュアー
F: フランク
前任者ブレインからの教え
F: そう言えば、ブレインがオレに助言してくれたことがあってね。
最初にオレがガンズとプレイした時、彼は2時間横に付きっ切りで色々と教えてくれたんだ。そこまでする義務なんて全くなかったのに。
あれは本当にありがたかったよ。彼が話してくれたのはこういうことだ。
このバンドにはスティーヴン・アドラー期、マット・ソーラム期、そしてChinese~以降の3つの時代がある。
こんな幅広いスタイルを上手くまとめられる唯一の方法は、「可能な限りものにして自分らしくプレイするしかない」、ということだった。
あの言葉をオレは自分の心に刻み込んだよ。
再結成でまたリセット
F: 当然、あのChinese期の曲に関しては、オレはなるべくブレインのプレイを踏襲して叩くように心がけたよ。
一方で古い曲に関しては、スティーヴン・アドラーのパンクロックっぽい感じとマット・ソーラムのもっとタイトなドラミングの間を取るようにプレイしてきた。
それには結構時間を要したんだけど、そうこうしてる間に今度はオリジナル3人の再結成があった。
ここで再度、自分が築いたスタイルを一度全部捨てて、学び直す必要があったんだ。当然、彼らの持っているグルーヴは、あの当時のメンバーのものとはまた別物だからね。
だから、あの時は初期の3枚やアコースティックの楽曲を学び直したよ。まさに一からやり直しって感じだった。
とにかくフィーリング!!
26:10
I: 学び直したのは、楽曲の細かいニュアンスとか、ドラムのフレーズとか?
F: もちろん。全てを見直したんだけど、特に重要だったのは「フィーリング」なんだ。
特にChinese~のドラムに関しては、あれはプロのセッションドラマーが叩いたようなフィーリングがあるんだ。
一方で、古い楽曲のドラムは、もっとパンクロックやハードロックっぽい。
もともとオレはパンクロック出身で、タイム感で言うと少しルーズな方だったから、ガンズに加入した時にはあのChinese~の曲をプレイする上で考え方を変えなきゃいけなかった。
クリック音に対して正確に、オンタイムでタイトに叩く感じさ。アクセルは、あのアルバムのそういうドラミングが大好きだったからね。
オレもそれに合わせて、リズム感を鍛え直したんだ。
でも、スラッシュとダフが戻り、彼らがプレイするのはより初期の曲が中心になるから、そんなリズムだとタイト過ぎるんだ。
なので、オレはまたそういったフィーリングを再構築する必要があったんだ。
ライブ中のヘマは?
28:15
*ここからは、ドラマーでもあるインタビュアーの方が、自身の経験を基にフランクに質問します。
I: 僕のバンドがトロントのホールで Deep Purple の前座を務めた時、ある曲の一番盛り上がる場所でいつもと逆の腕から入ってしまって、「あれっ…!?」っとヘマをやってしまったことがあるんだけど、キミはそういう経験ある?
F: (笑)もちろんあるさ。
オレとダフにはいつもお決まりのパターンがあってね。
オレ達のどちらかが間違えた時は、いつも「オレじゃないぜ??」みたいな涼しい顔しながら辺りを見回すんだ。
オレなんて本番でも一度デカいミスやってるよ。多分、YouTube にも残ってるんじゃないかな?
You Could Be Mineの、あのイントロのドラムを叩いてる時にスティックが飛んでいっちゃってさ、やり直さなきゃいけなかったんだ。
するとアクセルがマイクに向かって「フランクが荒っぽい仕事してるみたいだな」ってさ(笑)
でもさ、ロックンロールってこういうもんだろ?
Blondie のデボラ・ハリーが著書の中で書いてたけど、Ramones は演奏中によくプレイを止めて「お前、今間違えたろ!?」って喧嘩してたらしい(笑)
終
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