リッチー・フォークナー (Judas Priest) #2 / ギタリストを語りまくる!


なんと!偶然にも、このインタビューを訳した翌朝にニューベイビーが誕生というおめでたいニュースが駆け巡った Judas Priest のギタリスト、リッチー・フォークナー!


(おめでとうございます!!)



しかも、その義父が巨匠ジョージ・リンチとのことで、またまたビックリ!


ということで、「緊急乗っかり企画」リッチー・フォークナーのインタビュー訳Pt.2!今回は、リッチーが様々なギタリストについて語ってくれた箇所をご紹介!



非常に興味深い話で、かつ彼のギターに対する並々ならぬ情熱が伝わってきました。


I:インタビュアー

R: リッチー



グレン・ティンプトンの体験談


5:30


R: グレン・ティンプトンが素晴らしいアドバイスをくれたこともあった。


彼がまだ若かった頃、ロリー・ギャラガーのコピーをやっていたらしいんだけど、それがロリーっぽく聴こえなかったらしい。



それはどう聴いてもグレン・ティンプトンの音だ、と彼は思ったんだけど、それこそが自分の持つ価値だと彼は気付いたらしいんだ。


彼がその時点で自らの個性に気付き、それを上手く活用してプレイに励んだからこそ、今日僕らの知るヘヴィーメタル界のレジェンドになったわけだ。



僕も今40歳だけど、未だに自分だけの個性を追い求めてるよ。



個人的三大ギタリスト


6:33


I: 次の質問だけど、キミはデイヴ・マーレイ、マイケル・シェンカー、ランディ・ローズの大ファンだよね。


それぞれのギタリストから学んだことを一つだけ挙げてくれるかな?



R: キミはジャーナリストになれるんじゃないか?僕がこれまでの取材で訊かれてきたことより全然意味のあることを訊いてくれてるよ。


そうだね、その3人は僕にとって大きな影響を与えたビッグ3と言えるよ。特にデイヴとシェンカーは、「影響面」から見たトップ5のうちの2人だ。



ランディはプレイ面での影響で言うと、その2人ほどではなかったかな。



マイケル・シェンカーについて


7:28


R: マイケルに関しては、テクニック、感覚、フレージング、音の選び方、ビブラート、作曲…彼のあらゆる面から影響を受けたよ。



数年前、マイケルとジューダスはイギリスで一緒にツアーを周ったんだけど、僕は毎晩彼のプレイをマーシャルアンプの裏から見ていたよ。


スポットライトに照らされた彼をわずか数メートルの所から毎晩見れたことは本当に夢のようだったね。


マイケルのプレイ全てが僕にとっては教科書みたいなものだった。



彼は時に速さも出すけれど、常に速く弾くわけじゃない。繰り返しになるけど、彼はもっとメロディや音の選び、フレーズを重視しているんだ。


自分も若い時にはとにかく速弾き命だったけど、歳を重ねるに連れ少しスピードを落とし、メロディやより良い音の選択を通じてオーディエンスと通じ合うよう心掛けているよ。


この点について僕が考える時、いつも立ち返るのがマイケルなんだ。



自分が弾き倒してたり、必要以上に速く弾こうとしていることに気付いた時、ギターレジェンド達のことが頭をよぎるんだ。


デヴィッド・ギルモアやスラッシュ、そしてマイケル達さ。


彼らは別に速弾きのスピードでじゃなく、メロディやフレージングで評価されてるんだ。



僕はこういったこと全てをマイケルから学んだし、僕は全てのハードロック・ヘヴィメタルギタリストは彼から学べると思うよ。



デイヴ・マーレイのトーン


9:05


R: デイヴ・マーレイに関してだけど、彼のプレイはいつもエネルギッシュかつアドリブ感があり、甘いトーンが特徴だと思ってる。


彼のライブでのプレイを見るとわかると思うけど、彼は同じ曲でもツアーごとに、日毎に弾いているフレーズが違ったりする。



もちろん、そういったことは僕らもやるけれどね。


あと、デイヴと言えばマイケルよりも細かいビブラートが特徴だし、すぐに彼とわかるトーンがあるんだ。僕自身もそうであって欲しいけどね。


例えば、ブライアン・メイが僕の機材で弾いても絶対彼の音になって、僕の音には聴こえない。


それこそがブライアンが持つ彼だけの「フィンガー・トーン」なんだ。



まさに、指板に触れるギタリストの指紋が、そのまま出てくる音にも反映されてる感じなんだ。僕はこの考えを強く信じてるよ。



作曲・構成面のランディ・ローズ


10:25


R: 3人目のランディ・ローズだけど、僕が彼から受けた影響というのは、圧倒的に作曲面が大きかった。


彼から影響を受けたのは、時期的に少し後だったんだ。



まず最初に影響を受けたのは、ジミヘンやシェンカー、Thin Lizzy や Judas Priest で、その後に研究し始めたのがランディだった。


そういった初期に影響されたギタリストをコピーしていた時は、作曲面やコードのことはあまり考えてはいなかったんだ。


マイケルのプレイに時々ハーモニック・マイナースケールが出てたけど、ランディはそれをさらに多用していた。



彼のギターソロの構築の仕方は、他の人達も言うように、「曲の中にある別の小さな曲」という感じなんだ。


それだけじゃなく、彼のリフや曲、ソロの組み立て方は僕にとって少しばかり異端だった。


それまでにプレイしてた他のバンドの曲と全く別物という訳じゃないんだけど、ちょっと新しくて、構成的に高度な感じがしたね。



ということで、この3人がそれぞれ異なる影響を僕にもたらしてくれたんだ。


終/