Recording Revolutionが動画でまとめてくれた、伝説のエンジニア・アンディ・ウォレス流ミキシングの秘訣。今回が最終編となります。
*記事内で挿入されているアルバム・曲の動画はアンディが携わった作品です。
#3 決め手はフェーダー
4:41 ~
アンディがミックスしたものの多くは、スレイヤーなどのように非常にパンチがきいたものです。どうやってあんなサウンドに仕上げたのか、人々が知りたいのも当然でしょう。
秘訣はコンプレッサーなのか、リミッターか、それとも私たちが知らないアウトボードの機器によるものなのか?
答えは単純に、(ミックスの過程で)「しっかりとボリュームフェーダーで調整する」ということでした。
「上手く聴こえてこない低音を押し上げたり、突出し過ぎている音を抑えたり…そういったことに私は多くの時間を使う。
この段階では、ほぼオートメーションの微調整がモノを言う。
こっちを少し上げて、他を削って、サビが来たらボリュームを上げて、その後少しずつ下げて行って…
私はそこにドラマやミキシングという建築物を加えるかのように、音をいじくり回すんだよ」
by アンディ・ウォレス
自分の持つ環境を活用する
5:35 ~
素晴らしいのは、今やオートメーションを利用するためにSSL9000を持つ必要は無いということ。
強力なボリューム&パンのオートメーションがあなたのDAWソフトウェアにも入っているはずです。
しかしほとんどの場合、このオートメーション機能は一般的なベッドルーム・プロデューサー達にフル活用されていません、宅録初期の私も同様でした。
映画監督のように
6:00 ~
彼は最も強力なミキシングのツールを用いて、ボリュームを自由自在に操れるにも関わらず、ミックスの途中であちこちでフェーダーを上げたり、聴き所を生み出しながらトラックに命を吹き込んでいるのです。
ミキシングの過程で「数値的に」正しいボリュームをずっと維持するのではなく、その曲の80~85%で適正なボリュームを見出した後、彼はさらに残りの10~15%を完璧に仕上げていくのです。
これは映画において、監督や編集の人達が、フィルムをカットしたり特定のものにズームインし、オーディエンスの意識を彼らが意図するものに向けさせるようなもの。
あなたが(ミキシングの過程で)ボリュームのオート機能を使ったり、特定の楽器の音量を上下する際、あなたはリスナーの意識を望むところに導くことができ、それこそがあなたの仕事なのです。
名エンジニア、アンディ・ウォレスのレコーディングテクニックの解説、いかがだったでしょうか?
もちろん、動画で取り上げられたことが全てではないと思いますが、ミキシングの根本的な考え方はやはり、「シンプルかつ素早く」ということなのだと思います。
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