先週、待望の新曲 “The River Is Rising” を発表した Slash feat. Myles Kennedy and the Conspirators。(以下SMKC)
これに合わせて、また各メンバーのインタビューもたくさん行われると思いますが、まず今回は、(恐らく)ドイツのインターネットラジオ局による最新インタビュー。
「新曲に込められた意味」「ライブレコーディング」「コロナ感染発覚」等が語られています。
I: インタビュアー
S: スラッシュ
春には完成していた!?
3:15
I: 来年、2022年2月にSMKCとしてのニューアルバム “4” がリリースされる訳ですが、もうレコーディングは概ね完了しているんですよね?
S: 実はさ、このアルバムは4月の段階で既に仕上がっていたんだ(笑)
でも、オレにはガンズの仕事があったり、マイルス(・ケネディー)はソロアルバムがあったりして、オレ達はリリースのタイミングを考えなきゃいけなくてね。
で、最終的に2月リリースということで落ち着いた。
オレとしてはワクワクしてるのと同時に心配でもあるんだ。
レコーディングを終えてからリリースまで、こんなに待つのは初めてだからね。
通常、レコーディングが完了してアルバムがリリースされ、オレ達がツアーに出るまでは一か月ぐらいだからさ。
The River Is Rising
4:05
I: 最新シングル“The River Is Rising” について、お話頂けますか?
私がこのタイトルを聞いてイメージしたのは、現在地球上で起きている気候変動などの問題のことだったのですが。
(*直訳すると「川が上昇している」。通常、「海面上昇」を表現する場合はriverではなくsea を使う)
S: あぁ、これは確かに社会的・政治的な声明だよ、現在の世界中での物事の在り方に関するね。
あの曲は、このアルバムに向けたプリ・プロダクションに入る直前ギリギリのタイミングで書かれたんだ。
プリプロに入ってからさらにジャムをやって発展させ、しっかりとした形になったんだけど、すごく上手く行ったと思う。
いざレコーディングが済んで聴いてみると、オープニングトラックにふさわしいように思えたんだよな。
ただ、アルバム全体としては結構色んな要素を含んでいて、そういった特定のテーマについて歌っているのはこの曲だけだよ。
色んな要素を含んでいるとは言っても、大前提としてどの曲もハードロックだ。
どのアルバムでも1~2曲やってきたように、今回も1つ長めの曲があって、バラードっぽいのも1曲、残りは全部ガツンと来るようなロックンロール曲ばかりだ。
10 曲・5日間!
5:10
S: このアルバムのクールな点は、オレが過去にやったどの作品よりもライブ録音に近いということだ。
I: それこそ私が次にお伺いしたかったことなんですが、(“The River Is Rising”の)最後の箇所を注意深く聴くと、はっきりとは聞こえませんが、”This is it”=「これで決まったな」みたいな会話が聞こえました。
それでライブレコーディングっぽいなと思ったんです。
S: 笑。本当に?
よく覚えてないな…マスタリングが終わってから全然聴いてないからさ。
アルバムは一度完成すると、ちょっと距離を置かなきゃいけないんだ。じゃないと、ずっとそればかり聴き込んでしまうからね。
ドラムと同じ空間にギターアンプ・ベースアンプを持ち込んで一緒に録ったのは今回が初めてだったよ。
そのすぐ横にはマイルスのボーカル用のブースもあってね。
めちゃくちゃ面白い経験だったし、10曲を録るのに5日しかかからなかったんだ。
とても自然発生的な流れで進んだし、今日の一般的なレコーディングとはかけ離れたやり方だとは思う。
でも、オレは(本物の)ロックンロールバンドのフィーリングや響きを愛しているんだ、メンバー全員が「せーの」で同時にプレイした時のね。
少ないテイクで!
6:35
I: “The River Is Rising” のギターソロは非常に速いですが、さすがにあれはワンテイクではないですよね?
S: 始めの頃、プロデュースしてくれたデイヴ・コブとこのアルバムのレコーディング方法について話した時、オレ達に共通していたのは “spontaneity”=「(作りこまない)自然発生的な感じ」だった。
それもあって、全ての曲は1~3テイクで録り終えたよ、フレッシュな雰囲気が残るようにね。
*ちなみに、スラッシュは昔からインタビューで、
spontaneous=<形>自然発生的な
spontaneously=<副>自然発生的に
spontaneity=<名>その場で生まれる感じ
この語群をとにかくよく使います!(笑)
それだけアドリブ的・偶発的な要素を重視している、ということかと思います。
コロナ感染発覚!
8:00
I: このアルバムのレコーディングで何かエピソードはありましたか?
S: そうだな…。オレ達、スタジオのあるナッシュヴィルに向かうためにツアーバスを使ったんだ、飛行機に乗らずにね。
自分達がコロナに感染するリスクを減らしたかったんだ。
全体のレコーディングがある程度終わり、オレがオーバーダブを始めようとスタジオにいた時にマイルスから電話があり、「コロナ陽性の結果が出た」と。
そこから他の2人の感染も発覚し、彼らは隔離措置を取らなきゃいけなくなった。
その段階でまだパーカッションとバックグラウンドボーカルのレコーディングが残っていたから、オレ達は立ち往生状態になったんだけど、録り終わっていたパートをミックスし、バックグラウンドボーカルはメンバー達の自主隔離用のゲストハウスで録ったよ。
で、彼らが回復した頃に今度はオレ自身がコロナ陽性となったんだ。
オレはワクチン接種済だったから、数日間の隔離で済んだんだけどね。
再びコラボアルバムの可能性は?
9:35
I: 私はあなたがSMKCで出してきたアルバムはどれも好きですが、 “SLASH” アルバムが大好きなんです。
レミーやオジー、クリス・コーネルを始め、ああいったコラボはロックファンがとても楽しめるものだと思います。
そこでお訊きしたいのは、ああいったコラボアルバムを再度作る可能性はあるんでしょうか?
S: んー、あれは「あの時のオレ」が持っていたアイデアだからな。
あの時は、レコード会社やらを通さずに、オレ自身がそれぞれのミュージシャンと直接やり取りをして参加を取り付けて行ったから、とてもオーガニックな形であれが実現したんだ。
その部分はほんとに素晴らしかったんだけど、それぞれのレコード会社やマネージメントとのやり取り、取り分の話等々、後からついて来た「お役所仕事」はほんとクレイジーだった。
あのアルバムに参加したミュージシャン一人一人に個別に支払いをしていく作業はほんとに悪夢だったよ。
もし再び同じようなことをやるとすれば、そこはオレがしっかり考えなきゃいけない点だな。
でも、これは決してNoと言ってるんじゃないよ。
オレ自身がまたそういう色々なシンガーからインスパイアされてそういう気になれば、決してない話ではないと思うよ。
終/
最後の質問、良かったですね!
あのアルバムにはすごい数のミュージシャンが参加していたので、「こういう場合のギャラってどうなるんだろう?」と不思議に思っていました(笑)
スラッシュ本人があのトップハット姿でATMの前に立ち、それぞれのミュージシャンの口座にちまちま振り込んでいる姿を一瞬思い浮かべてしまいました…(笑)
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