ジョシュ・トッド(Buckcherry) #1 新作&医療従事者として


先日、ニューアルバムをリリースし、高評価が届いているBuckcherry。


今回は、オーストラリアの White Line Fever TV さんがVo.のジョシュ・トッドに行ったインタビュー訳をお届けしたいと思います。


今回のテーマは「コロナ渦での制作」「医療従事者として勤務」「最前線で見た現実」です。



I: インタビュアー

J: ジョシュ



コロナ渦での制作


1:00 


I: 新作を聴いてみて、パンデミックが無ければ全然違う内容になったのでは?と感じたのですが、この情勢からの影響はどれほどでしたか?



J: そもそも、コロナが無ければオレ達はアルバムを作ってなかっただろうね(笑)


オレ達は前作 ”Warpaint” に伴うツアーでかなりの公演数が組まれていたし、特に2020年は全てツアーで埋まっていた。


でも、状況悪化でどんどん公演がキャンセルされていって、それと同時にメンバーチェンジもあったりで、オレ達にとってはある種のリセットの時間だった。



オレとスティーヴィー(・D /Gt)、マネージャーで話し合い、コロナがおさまって生活が元通りになる頃には、オレ達また新しいアルバムが必要になるだろう、ということで、このアルバムの制作に集中し始めたんだ。


間違いなく、バンドにとって最高のアルバムの一つだと思う。相当頑張って制作したしね。


アルバムの10曲のために、オレ達は28曲も書いたんだ。その甲斐があったと思うよ。


I: 楽曲はバラエティに富んでいて、作曲も意欲的に進んだんですよね?ちなみに、このアルバムで達成したかったことは何かありましたか?



J: オレは毎回「最高のアルバムを作りたい」、ただそれだけだよ(笑)


そうだな、他に言うとすれば、リスナーが一度プレイヤーに入れたら、そのまま何年も聴き続けられるような時代を問わない普遍性、聴き手に様々な想いを抱かせるような楽曲、全曲が「一軍」で、捨て曲が内容なアルバム…


オレ達が毎回意識を向けているのは、こういった点だよ。


だからこそ、オレ達はたくさん曲を書くようにしてるのさ。



医療従事者として勤務


2:50 


I: 少しコロナについての話を。


私は自分でそれなりの語彙力があると信じていましたが、*phlebotomist が何を意味する単語か、つい数時間前まで知りませんでした。


それについて聞かせていただけますか?


(*アメリカで採血を専門に行う医療従事者のこと。ジョシュはにこの資格を取得し、実際に現場で働いていたことを先日明かしました)



J: どうやら、皆それについて興味あるみたいなんだよな(笑)


このアルバムのための作曲期間は、オレにとってこの資格を取るための勉強期間でもあった。


オレは常に新しいことを学ぶのが好きだし、最初はただ興味を持っただけだったんだ。


ちょっと変わってるよな。



あまり多くの人が通る道ではないと思うけど、オレにとっては良い影響をもたらしてくれたよ。


オレは、自分を音楽から離れさせてくれるものが好きなのさ。15歳からずっと音楽ばかりやってきたしね。


I: ということは、あなたは市民のワクチン接種をお手伝いするような、ほぼ最前線で働く医療従事者だったということですよね?



J: ああ、そうだよ。


2020年の10月に ”Hellbound” のレコーディングを完了し、オレは12月にLAのダウンタウンのコロナ対応クリニックで働き始めた。


オレはそこで大量の生きたコロナウィルスをこの手で運んでたのさ、採血を担当したりね。


このコミュニティーのために働いていると感じられたのは素晴らしかったよ。



最前線で見た現実


4:15 


I: コロナ対応の最前線にいるのはどういう感覚でしたか?


例えば、ワクチン制度に対する市民の反応とか、あなたは既にツアーに戻り始めていますが、いまだソーシャル・ディスタンスは求められていると思いますし…


あなたにはより自らの経験に基づいた見方があると思うのですが。



J: あぁ、確かにね。


キツかったよ。オレ達はこのウィルスが自分達のコミュニティーにどういった影響を及ぼしているのか、真っ先に見ていたわけだからね。


一時期、LAの陽性率は毎日60%に達していたんだ。


実際に、車でクリニックにやってきた何人もの患者に対応したけど、あれはヘヴィな経験だった。



もちろん、自分の同僚が感染したこともあったし、きっとキミの周りからも感染者が出ただろ?


人々の人生にこれほど大きく影響してしまうものを見るってのは、決して穏やかなものではないよ。


血液型によってもそのリスクが異なるみたいだけど、でもオレにとってワクチンを接種することは、考えることでもなかった。


オレはその時最前線にいたし、同僚たちと同様に、当然初期に接種すべき一人だと思っていたからね。



ワクチンを接種できたことをありがたく思っているよ。


でも、オレは別にワクチンの賛否について議論したいわけじゃないんだ。各自それぞれに見解があるだろうし、オレは別にこの分野に詳しいわけでもないからね。


I: Buckcherry のライブを見に行くには、ワクチン接種が義務となりますか?



J: 実際のところ、接種してる人としていない人をライブ会場の現場で見極めるなんて無理だと思うから、それを義務付けるってことはないと思うな。


(*あくまでワクチンの話です)


続く…