ジョシュ・トッド(Buckcherry) #2 ボツ曲の行方/ 失敗などない/ 太らない秘訣


オーストラリアの White Line Fever TV さんが行った、ジョシュ・トッド(Buckcherry) へのインタビューを訳と共にご紹介しております。


今回の後編では、「ボツ曲の行方」「ファンからの反応はわかる?」「失敗などない、全て学び」「シンプル過ぎる太らない秘訣」について語られています。



I: インタビュアー

J: ジョシュ



ボツ曲の行方は?


6:25 


I: 10曲収録のアルバムに対して28曲が作られたとのことでしたが、収録されなかった18曲はどうなるんでしょうか?



J: 皆いつもそれについて訊いてくるんだけど、アルバムに収録されなかったということは、それだけのクオリティーが無かった、ということなんだ。


なので、オレ達が新作を作る際に過去のボツ曲を掘り出して…みたいなことはほとんどないよ。


まぁ、そういった曲の良かった部分だけを取り出して、他の曲に組み込むことはまれにあるけれどね。



今回のアルバムで言えば、3曲がその対象になったけど、でもそれ以外は全て真っ新な状態から始まってるものだよ。



ファンからの反応は感じる?


8:30


I: 今作の”Hellbound” で9作目ですが、アルバムをリリースしてからそれに対するファンのリアクションって感じ取れるものですか?



J: あぁ、その盛り上がりは感じ取れるよ。発売前の予約の数とかからもね。


オレ達はこのアルバムで既に新しい領域に達している。イギリスのロックチャートでは初めて初登場一位を獲ったんだ、素晴らしいことさ。


日本でも過去最高位に入ったみたいだし、(インタビュアーの住む)オーストラリアでもそれぐらい好調だと嬉しいな。



とにかくアルバムの評判は上々だし、収録曲も良いものが揃ったよ。


あと、(公開されて3ヶ月の)”So Hot” のMVは、既に40万回再生を超えた。数年前に出した曲でもそのレベルに達していないMVはあるのにね。


こういったこと好調をあるがまま受け入れてるよ。


オレが言えるのは、このアルバムの曲をライブでプレイした時、オーディエンスのリアクションが素晴らしいということさ。



オレ達の単独公演用のセットリストにすごくよく馴染むんだ。一曲たりとも駄曲はないぜ。


もちろん、過去のセットリストにはダメな曲があったという意味じゃないよ。


でも、今のツアーでやってる曲は、全てがヒットソングみたいなレベルってことだ。



失敗など存在しない、ただ学びがあるだけ


10:10 


I: アルバムを出す度に、色んな意見・評価、過去の作品との比較も聞こえてくると思います。


あなた自身で過去の作品を振り返ってみて、「これは正しかった」「これは良くなかったな」みたいなことはありますか?



J: もちろん、オレ自身で各アルバムを振り返って「もっとこうすりゃ良かった」とか色々言うことはできるけど、基本、オレは過去を振り返らないし後悔もない。


あらゆることが「学びのプロセス」だとオレはわかっているからね。


失敗など存在しない、ただ学びがあるだけさ


オレが良いと思うBuckcherry のアルバムは、きっとファンが選ぶものとは全く違うだろう。



でも、オレは毎回アルバムを出す度にすごく誇りに思うし、毎回100%の自信でもってリリースしてるよ


(*自らの過去の作品を全否定するかのようなバンド・ミュージシャンもいる中、この言葉は本当に嬉しいですし尊敬します)


振り返ってみれば、確かに他のアルバムよりも良いと思うものはあるし、いくつかのアルバムは売り上げの面で他の作品より優れていた。


でも、それってよくわからないものなのさ。リリースのタイミングの関係だったりとか、色んな要因がある。



自分では世界最高の傑作を作ったつもりでリリースしても、全くウケなかったり、自分が思うほどの評価を得られなかったり。


そういったことがあると、ちょっと戸惑うよ。


それでも、ちゃんと自分達の信念に沿うようなことをやらなきゃいけないし、その曲がベストの状態になるよう、いつでもあらゆる手を尽くさなきゃいけない。


それがオレ達に出来る全てだと思うんだ。



セレブとSNSの在り方


12:00


I: アルバムを出す度に、毎回少なくとも一曲はリスナーの身体が動くような楽しいロックソングが収録されているように思うのですが、それは意図してきたことなのでしょうか?


今回なら”So Hott” がまさにそれですよね。



J: ”So Hott” はgirl power(女性の独立心 / 女子力)についての曲だよ。


今の時代、スターになるためにわざわざ大都市に出て行く必要はなくなっただろ?


自分の部屋でスクリーンの前に座り、SNS上で存在感を高めていってリッチになる。


こういったことは特に女性の方が向いているし、MVの中のシナリオはそういう感じさ。



クローゼットの中の服で着飾ってそれを投稿し、どんどんと人々を魅了してフォロワーを獲得していく。


そして、ある段階で一気に大ブレイクするわけさ。


つい最近、インタビューでケヴィン・ハートが面白いことを言ってたんだ。


「オレ達が思ってるセレブリティ(有名人)ってのは、今後どんどん消えていくだろう。今や社会は情報に溢れ、セレブの存在感は薄められている」ってね。


確かに、今は誰もが「小規模なセレブ」になれるし、YouTube やSNS上で誰もが自身の「帝国」を築きあげている。



オレ達が彼らのことをどこの誰だか知らなくとも、フォロワーは500万人で、いくら稼いでいて…みたいなさ。


クレイジーだけど、オレにはそれが興味深く思えたし、あのMVが表現してるのはまさにそういうことさ。



太らない秘訣はシンプル…


14:00


I: あなたはライブ中には水を飲まず、毎日就寝の4時間前には何も食べないようにしているそうですね。


まるでアスリートのような生活を送っているように思えますが、一体どうすればそんな生活が出来るんでしょうか?



J: (食い気味に) discipline=鍛錬さ。


確かにライブの後はお腹も空くし、そんな時にはバナナを食べるのさ。カリウムも補充できるしね。


オレはライブの直後にメディテーション(=瞑想)を25分間やるんだ。そうすると気持ちも落ち着いてリラックスし、よく眠れるのさ。


I: ツアー中にはジャンクフードなどを食べて太ってしまうミュージシャンが多い中、あなたは多分痩せてしまいますよね?


あなたと一緒にツアーを周る連中は、きっと羨ましがってるに違いないですよ!



J: 笑。


実は、妻もオレがツアーに出て痩せてしまうのが嫌いなんだ。彼女はオレにある程度の体重を望んでるからね。


一度ツアーに出ると、オレは大体2.3Kg ぐらいは痩せてしまう。オレはもともと細身だから、オレにとってこの数字は結構デカいんだよ。


終/