様々なバンドやアーティストのレコーディング・ライブサポートを行ってきたLAロックシーンのベテランギタリスト、ケリ・ケリー。
現在はNight Ranger の一員として活躍していますが、今回の最新インタビュー後編でも、これまで一緒に活動してきたアーティストについての興味深い話が色々と飛び出しました。
今回のテーマは「ヴィンス・ニール」「ジェイ二ー・レインとの未発表曲」「無茶ぶりSkid Row」です。
I: インタビュアー
K: ケリ・ケリー
ヴィンス・ニールとの交流
8:15
I: あなたが共に仕事をしたもう一人のレジェンドと言えばヴィンス・ニールですが、彼とはまだ連絡を取っていますか?
あと、(先日ライブ終盤で声が出なくなり、途中で切り上げたことについて)彼のことを心配に思いますか?
私個人的には彼のことがとても心配なのですが…
K: そうだね、Night Ranger は大体年に数回ヴィンスと一緒にプレイする機会があるから会場で会った時にはよく話すし、彼が最後にやったあの公演にはオレ達も出演してたんだ。
オレは彼のショーを見てなかったけど、あのニュースを聞いた時は彼と直接会って話したかったよ。
まぁ、準備不足だったのか原因はよくわからないけどさ…。オレはヴィンスのことが大好きだ。彼はいつもオレに対して良くしてくれるし、オレが知る中で最もクールで優しい男だ。
皆が知ってるように、時には熱くなり過ぎることもあるけど、オレが見てきた彼はいつでもクールなやつさ。
I: 彼については私もほとんど良い評判ばかり聞いてきましたし、フラストレーションを抱える日は誰にだってありますしね。
一点私が心配なのは、プレスの連中が彼に対してすごく意地悪なことです。
あんな取り上げられ方をしたら、彼の精神状態に良いはずがありませんから。
K: あぁ、そうだね。残念ながら最近じゃそういったことから誰も逃れられない。誰もが「ネットギャング」みたいな感じさ。
イヤな感じだよな、全く。人間ってのは時にこうも酷くなれるものなんだよ。
でもまぁ、とにかくオレは彼の回復を祈っているよ。
故ジェイ二ー・レインとの未発表曲
10:15
I: 私はWarrantのファンでもあるんですが、あなたは元Vo.故ジェイ二―・レインとも一緒に活動していましたよね。
あなた方には20曲ほど未発表のデモ音源があると聞いたことがあるんですが、そういったものが今後リリースされる予定は?
めちゃくちゃ聴いてみたいんですけど。
(*当時ジェイ二ーとケリはSaints of Underground というバンドを結成。Ba.はロビー・クレイン、Dr.はボビー・ブロッツァー)
K: ん-、正直わからないんだよね(笑)時々、オレのi-tunesでランダムにプレイしてる時に偶然出てきたりするんだけど。
音源自体はこのスタジオに残ってるよ。90年代末から2000年代初期にかけて、ジェイ二―とオレはたくさん曲を共作してたんだ。
彼の自宅には録音環境がなかったけど、オレの家には昔の4~8トラックの機材とスタジオがあったから、彼がこっちに来てさ。
オレ達の作曲行程はめちゃくちゃスピーディーだった。
ほとんどの人は知らないだろうけど、ジェイ二―は元々ドラマーだったから、ドラムも叩けたんだよ。
このスタジオには部屋が2つあって、片方にはドラムも置いてあるから、オレ達は1時間とか1時間半で一曲仕上げることもあった。
曲の原型が見えたら、ジェイ二―が「よし、オレがドラムを叩く!」と言って録音し、そこにオレがベースとギターを重ね、今度は彼が歌入れをしていく。
それぞれの作業ステップが全くよどみなく簡単に進んでいったのさ。
そうやって仕上げた曲が、正確にはわからないけど多分20曲ぐらいあるんじゃないかな。
いくつかは、僕らがただアコギをプレイし、ジェイ二ーがメロディーを歌ってるだけのラフなものだけど、他は曲としてほぼ完成されたものだ。
これらの曲がいつか日の目を見るかどうか、正直オレにはわからないよ。
ジェイ二―の著作物等を管理している組織があって、そこは彼のお子さん達によって運営されているんだけど、数年前に何か企画盤を出す話がオレの所にも来たんだ。
そこにオレとジェイ二―が共作したものを入れるかもしれないという話だったんだけど、数週間話し合いをした後は連絡が途絶えてしまったよ。
あれから少なくとも2年は経過してると思う。
I: そうでしたか。是非その音源を聴いてみたいですよ!
彼はソングライターとして、パフォーマーとして、とても才能があったのに見合った評価をされていませんでしたから。
K: そうだね、彼はめちゃくちゃ良いヤツだったし、オレ達は素晴らしい時間を共に過ごしたよ。
さっき話に出たヴィンス同様、オレ達は良い友人でもあったから、よくこの家に泊まってたよ。
(↓2002年のソロ曲・結構良いです!)
当時、彼はLAに住んでいて、オレはオレンジ・カウンティーだから、ちょっとしたドライブぐらいの距離はあるからね。
普通に働いている皆と同じように、日中ここで作業をして、夜になったら一緒に寿司を食べに出かけてさ。
今でも彼がいないことを寂しく思うよ。
無茶ぶりSkid Row!
14:55
I: もう一組、あなたが関わったことのあるバンドで私のお気に入りなのが、Skid Row です。
これ、ほんとクレイジーな話ですけど、彼らは木曜日にあなたに電話してきたそうじゃないですか、翌日金曜日のショーにピンチヒッターとしてステージに立てるかどうか。
あなたは一体どうやってそんなにも早くセットリストの曲を覚えられたんですか?
K: あぁ、あれはマジでクレイジーだったな(笑)
彼ら自身の公演で確か15~16曲あったと思う。金曜・土曜日と連チャンの公演さ。
もちろん、彼らのヒット曲に関しては、弾いたことはないにせよ聴いて知っていた。
でも、残りの7~8曲は聴いたことすらない曲だったんだ。ちょうど新しいアルバムを出したところで、そのアルバム曲もプレイしていたからね。
彼らはメールでオレに全曲を送って来て、そこから約10時間ほど、必死に練習したよ。
しかも、翌日は朝一6時のフライトに飛び乗って公演地に向かわなきゃいけなかったんだ。
機内でも曲をノンストップで聴いて音をどんどんメモしていき、着いたらサウンドチェックに直行。
1時間ほどのサウンドチェックで出来る限り多くの曲を一緒にプレイし、その後はもう本番だぜ?
さすがにあれはクレイジーだったよ…(笑)
それ以前にもアリスやNight Rangerの公演で急遽代役を務めたことはあったけど、大体一週間前とかさ。
さすがに前日に電話がかかってきたのはこれだけだったよ!
I: でもあなたは何とかやり遂げたんですよね?
K: あぁ、何とかね(笑)めちゃくちゃ本気出さなきゃいけなかったけど、幸運にもオレは記憶力が良いから。
終/
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