よく<Hired Gun =雇われた殺し屋>と評される短期的・一時的に雇われるミュージシャン達。
LAのロックシーンにおいて、長年そういう活動を続けていたギタリストの一人が、ケリ・ケリーです。
Slashが2000年初期までやっていたソロバンド Slash’s Snakepit に参加したり、Alice Cooper Band の一員としても活躍した彼ですが、近年はNight Ranger のメンバーとしてすっかり定着しています。
そんな様々なミュージシャンと活動を共にしてきた彼の最新インタビュー訳、今回のテーマは「盟友ライアン・ロキシー」「スラッシュとの活動」「ロックスターは普通の人達⁉」です。
I: インタビュアー
K: ケリ・ケリー
Dad’s Porn Mag再結成!?
3:20
I: この番組ではライアン・ロキシー(Alice Cooper Band)にも出演してもらったことがあるんですが、あなたは彼とのプロジェクト・Dad’s Porn Mag を復活させたいとか?
それはフェスへの出演ですか?それともクラブで単発的にライブをやる感じでしょうか?
K: そうだね、オレは何だってやるよ。オレ達は実現できると思う。
ライアンはすごく良いヤツで、オレ達はしょっちゅうコンタクトを取ってるし。実現すれば面白いことになると思うよ。
I: 私はあのバンドを見たことが無かったので、そうなることを願いますよ。
Slash's Snakepit での2年間
4:05
I: 私はガンズやスラッシュの大ファンなので、Slash’s Snakepit時代のことも訊いておきたいんですが、スラッシュは物腰が柔らかかったって言ってましたよね?
でも、あの当時の彼はまだお酒やドラッグをやっていたはずですが、そういったものを抜いた今でも彼の性格はそのままだと思いますか?
K: あぁ、きっとそのままだと思うよ。
だって、オレは彼が怒ったのを一度たりとも見たことがないもの。
I: 笑
K: 彼のバンドにいた頃、オレは2年間ほぼ毎日のように一緒に過ごしていたよ。
彼はとにかくプレイするのが大好きで、オレ達は練習もたくさんやった。月曜から土曜日まで、毎日彼の家のスタジオでプレイしたよ。
午後2時くらいに彼の家で集まって、それから深夜2~3時くらいまでやってたな。
当時の彼は、いわゆる「皆がイメージするスラッシュ」そのままだったよ。
一日中飲んでいるような時でも、そうじゃない時でも、とにかく穏やかで嫌なヤツになることなんてなかったよ。
I: 素晴らしいですね。
恐らく、あの時点でのあなたのキャリアにおいて、Snakepit は商業面で一番大きなバンドだったんじゃないですか?
K: 間違いないね。
あのバンドで活動する前に、オレは少しばかりRATT を手伝ったんだけど、でもスラッシュはもうあの頃既にレジェンド的な存在だったからね。
話が来た時は最高の気分だったよ。
(*ちなみに、彼が参加したのは Slash’s Snakepit の2nd ”Ain’t Life Grand”に伴うツアー。レコーディングはおなじみ、ライアン・ロキシー)
で、彼らとのリハーサル期間中のある日、スラッシュが「なぁ、AC/DCのツアーのオープニング3か月間のオファーが来たんだけどどう思う?」って言ってきてさ。(笑)
オレ達は「『どう思う?』じゃないだろ!早く折り返してイエスって言え!」って(笑)
アルバムリリースのタイミングとしては最高のスタートだよな。
スターは至って普通の人達
6:04
I: アンガス・ヤングとの交流はありました?
K: あぁ、あったよ。
一緒にツアーを周ってた間は毎日彼らと同じホテルに泊まってたから、エレベーターで会うこともあれば、一緒にランチしたりね。
ブライアン・ジョンソンは本番の後によくホテルのバーにいたから、一緒にビールをよく飲んだよ。
ほんとに素晴らしい経験だったよ。特に、Snakepit としてツアーを始める初っ端がそんな感じだったから尚更ね。
I: その頃、スラッシュやアンガスと一緒にいて、少し引けを感じたりしました?
それとも、「よし!遂に自分もこのレベルまで来た!」という感じだったのでしょうか?
K: んー、そんな風に考えたことも無かったよ。
オレが感じてたのは、単純に「今、素晴らしいミュージシャン達と一緒にプレイしてるぞ」ってことで、その意味では自分を誇らしくは思ったけどね。
当時オレはまだ若かったし、素晴らしい体験をさせてもらったと思う。
それに、オレが今まで一緒にプレイしてきた連中は、基本的に皆「普通の人」ばかりなんだ。
それがスラッシュであれ、スティーヴン・タイラーであれ、外から見てる人達は「彼らは有名人だからきっと普通じゃない」って思うのかもしれないけど、オレ達と何ら変わらない「良いヤツ」なんだよ。
「おぉ、元気か?コーヒーでも飲もうよ!」みたいな感じさ。
一般の人達からすれば彼らは「スーパーヒーロー」に見えるかもしれないけど、そういう「良いヤツ」が、たまたま「レジェンド」として認知されてるってだけさ。
I: もちろん、彼らはその世界において自らの力で頂点に達したのは疑いようのない事実ですが、とはいっても、彼らも*「ズボンを履く時は片足ずつ」、そこは私達と同じ人間ですものね。
K: その通り。ただ、彼らがそのズボンを履いた時には死ぬほどレコードを売るんだけどな(爆笑)
*英語で「どんな有名人・偉人でも同じ人間である」ことを指す時に用いられる例え。
続く…
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