インタビュー訳、今回は長年HR/HM界に君臨し、今なおコンスタントに新作を出し続けているレジェンド、アリス・クーパー!
この数か月、精力的に様々なインタビューをこなしていたアリスですが、その中から興味深かったものをご紹介したいと思います。
今回のテーマは「制作への情熱」「アリスの子守歌アルバム」「Beatlesからのとてつもない影響」
I: インタビュアー
A: アリス
衰えない制作意欲
2:00
I: この一年間、あなたの(余りある)エネルギーはどこに向けられましたか?
A: 私が知ってるバンドは皆レコーディングをやってたから、ロックファン達は今年アルバムラッシュに見舞われることになると思うよ。
ツアーに出れない時にバンドにやれることと言えば、レコーディングな訳だから。
我々の場合、それが”Detroit Stories” というアルバムになり、初登場一位を獲得したんだ。
過去48年間、アルバムを出す度にチャートの一位を獲ろうとしてきたけど、私のアルバムが最後に一位を獲ったのは1973年(Billion Dollar Babies) だったな(笑)
なので、ここに来てチャートの一位を獲れたのは我々にとっても驚きだったし、素晴らしいことだった。
ただ、私はもう次のアルバムに取り掛かっているし、Hollywood Vampiresのアルバムの作業もやっている。
ということで、去年から何もやることが無かったなんてことはなく、逆にやるべきことがたくさんあったよ。
知らなかった子守歌アルバム!
2:50
I: あと、あなたの曲の「子守歌アルバム」もリリースされましたよね?あれはどういう経緯で?
A: あぁ、あれね(笑)
私の孫は今7か月なんだが、ある時彼女のベビーベッドがある部屋に行くと、子守歌を流すために置いてたスマホを握りしめたまま、こんな感じで熟睡してたんだ(笑)
ということで、曲が何であれ子守歌ってのは効果的なんだよ(笑)
I: 私もあなたの曲を聴きながら眠りにつきたいくらいですよ!(笑)
A: この辺のことには今まで関わってこなかったけど、いわゆる楽曲のライセンス契約が出来るらしいんだ。
で、連中はそれを通じて「アリス・クーパーの子守歌アルバム」を制作・リリースしたんだけど、私達自身も皆と同じくらい驚いたよ。
「私、あなたの子守歌アルバムを持ってるんです」とある人から聞かされた時は、「は?」って感じだった(笑)
もし企画段階で私がこの話を知らされていれば、”Dead Babies” を収録させたのに…(笑)
(*さすが、アリス…子守歌に”Dead Babies” って…笑💦)
I: これから生まれてくる次世代の赤ちゃんたちが、そのアルバムと共に育ってくれることを祈りますよ!(笑)
A: こういう事さ。私達はBeatlesの次の世代、彼らに大きな影響を受けた世代なんだ。なので、我々が作る曲は非常にメロディックなんだよ。
確かに、(無骨なイメージのある)ハードロックというジャンルで、しかも私の場合はシアトリカルな曲も多いが、それでも非常に音楽的だと思う。
それはまさに、我々の世代がBeatles を聴いて得たものなのさ。
だからこそ、チェンバロやピアノでアレンジして、子守歌にしやすかったんだと思うよ。私も実際に聴いてみたけど、素敵な音だった。
I: 私にも一歳半の甥っ子がいるんですけど、このアルバムを聴かせようと思いますよ!
サイケ⇒ハードロックの変化
6:55
I: あなたの最初の2枚のアルバムは非常にサイケデリックでしたが、その後3枚目の ”Love It To Death”では完全にハードロックになりましたよね。
この変化はどのようにして起きたのでしょう?
A: プロデューサーのボブ・エズリンが制作陣に入り、彼に言われたんだ。
「The Doorsの音は聴けば彼らだとわかるだろ?ストーンズもしかりだ。今、キミ達にかけているのはまさにそれだ。
キミ達はライブのパフォーマンスは良いし曲も良いけど、『個性的なサウンド』がまだない」
ってね。
彼が我々のサウンドを全て分解し、一から再構築して、”Love It To Death”で聴けるような「アリス・クーパーのサウンド」を作りあげたんだ。
それ以降、彼は私と15枚…いやもっとあるかもしれない。たくさんのアルバムを共に作ってきたのさ。
彼は私にとってのジョージ・マーティンなんだ。ジョージがBeatlesと作りあげた同じようなものを、ボブは私と共に作ってくれたのさ。
I: 確かに先ほどおっしゃったことは非常に的を得ていると思います。
あなたの曲はハードロックでありながら、とてもメロディ志向ですもんね。ガツンとくるような迫力がありながらも、ちゃんと良いメロディがそこにあるというか。
A: あの時代に登場して、まだ活動してるバンドを見てごらん。
例えばAerosmith やオジーだ。我々は全員Beatlesの大ファンで、皆Beatlesを聴いて曲の作り方を学んだのさ。
オジーの曲を聴けば(サウンドはハードだけど)、とてもメロディが優れていることがわかるだろ?エアロも同じさ。
これこそ、50年も前の我々の曲がいまだに聴かれている理由だよ。
Beatlesスタイルの作曲から遠ざかれば遠ざかるほど、曲は音楽的でなくなるんだ。
続く…
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