先日前半をお届けしたマーティ・フリードマンのインタビュー訳・後半!
前半も興味深い内容でしたが、私が早くご紹介したかったのは今日の後半の内容です。
こういう質問を思い付くのは、さすが大ベテランのエディ・トランク氏、という感じでした。
今回のテーマは「覚悟を要したツアー決行」「日本人から見たマーティ」「日本で活躍するアメリカ人」etc...です。
インタビュー音源は こちら。
E: エディ
M: マーティ
覚悟を要したツアー決行
1:00:50
E: さっきオーケストラとのライブを撮影したという話が出たけど、将来的には映像作品としてリリースされるってことだよね?
M: そうだね。あの公演のダイジェスト映像は、僕のSNSで既に公開されてるよ、Facebook とかでね。
実はこのインタビューの直前にも、ちょうど新しい編集をチェックしていたんだ。
僕らはフルサイズのショーをやったんだけど、今公開されているのは15分ほどの映像だよ。
ツアーの締めくくりがこうやって素晴らしい形に終わってほんとに良かったよ。
だって、多くのアーティストがただ単に健康面・経済的な面でリスクを取りたがらないだけでなく、自分のコンサートが新たな感染者やクラスターの発生になりうる可能性を考えたらね…
(こんな状況で)この決断をするにはかなりの勇気が必要だよ。
そんな中でも多くのファンが会場に足を運んでくれて、ちゃんと感染対策のガイドラインを守りながら楽しんでくれたことは素晴らしかった。
このオーケストラ公演だけでなく、従来のスタイルのライブも撮影したから、それもなるべく早く届けられたら良いなと思ってるよ。
日本人から見たマーティは?
1:02:10
E: 知らない人もいると思うので話しておくと、キミは約17年前に日本に移住して、日本語も流ちょうに話せるよね。
日本では、音楽以外にもバラエティ番組に出たりして、単に「元Megadethのギタリスト」という肩書きには収まらない印象を持たれていると思うんだ。
日本の人達からはキミがどんな存在として見られているのか、ちょっと話してくれないかな?
M: その点はとても面白いんだよ。
僕は日本で色んなジャンルのことに関わっているから、その話している相手がどのジャンルを通して僕のことを知ってくれているのか、すぐにはわからないんだ。
例えば街中で誰かが僕に話しかけてくれたとして、ある人は「マーティが出てたあの番組見たけど良かったよ!」とか「CMで見たよ!」とか、他の人は「アルバム全部持ってます!」とか、彼らの中の「マーティ・フリードマン」はそれぞれに違うんだよ。
だから、一部の人達は僕の音楽的なキャリアのことなんて全く知らなかったりするし、逆に僕の音楽活動を知ってくれてる人達からすると、僕がバラエティ番組でやってることにはギャップがあって、クレイジーで面白いと感じてくれている。
他にも長いことやってるCMや映画の出演もあったり…
多分、ヘヴィーメタルで育ったミュージシャンがこんな風にTVのバラエティ番組に出てるのはちょっと考えられないだろうね。
なので、皆が皆、僕のキャリア全体のことを知ってくれているわけではないんだけど、僕の活動はそれだけ多岐にわたるから、その点は全然構わないよ。
もちろん、メインは音楽活動だけど、他のことをやるのも好きだし、そういった音楽以外の活動をきっかけに僕のことを知ってくれた人たちが僕の音楽のファンになってくれたりもする。
こういう理由で、僕のファン層の構成はとても変わってるんだ。
女性ファン、若者から高めの年齢層、家族、ガチのメタルファンから「マーティ・フリードマンのファン」に至るまで、ほんとに色んな人が聴いてくれているんだけど、これってまさに「僕そのもの」なんだよね。
これはあくまで僕の場合だけど、一つのことだけで名前が知られているというのは、僕にとってはちょっと窮屈な感じがするんだ。
音楽をメインにしながらも僕にはやりたいことがたくさんあって、そういったことがより多くの人生経験をもたらしてくれる。
ただレコーディングとツアーを繰り返すような活動では、決して出会わないような状況に遭遇しながらね。
なので、ここ日本でそういった機会に恵まれてきたことはとてもありがたく感じているよ。
日本における外国人タレント
1:05:40
E: 確かNetflix で見たドキュメンタリーだったと思うんだけど、面白いのがあったんだ。
何も才能の無いアメリカ人が日本に行って有名人になることを目指す、みたいな内容でね。
もちろん、キミのことじゃないよ。キミはとてつもない才能の持ち主だから。
で、連中は日本に行ってタレントエージェンシーと契約し、日本でどうやって有名になるか?みたいな内容なんだけど。
M: なるほどね、まぁ、あり得る話だよ。
これは僕が日本に関して素晴らしいと思う点の一つなんだけど、彼らは試しに何でも壁に向かって投げてみるんだよ、それがくっつくかどうか見極めるためにね。
(*当たるかどうかはやってみないと分からないから、とにかく試す)
E: 笑
M: ほんとに、とにかく何でもさ。
僕はそのドキュメンタリーのことを知らないけど、何かぶっ飛んでる感じなら、ここでウケる可能性はあると思う。まぁ、長続きするかどうかは別だけど。
日本のメディアで活躍しているアメリカ人も数人いて、その話を聞いて今3人が頭に浮かんでるけど、彼らは皆ニュースリポーター系の人達だね。
一人はめちゃくちゃ物知りで…英語でどう表現すべきかわからないけど、東京大学卒でとても頭のキレるコメンテーターだ。
(*多分、モーリー・ロバートソンさんとかロバート・キャンベルさんですよね。デーブ・スペクター師匠は埼玉県出身なので、この3人のアメリカ人の中に入っていないと思いますが…笑)
アメリカ人に限らず、日本では色んな国から来た人が斬新なことをやってるよ、アフリカとかね。
TV番組は常に新しい顔・面白いコンテンツを探してるんだ。
ただ、長期間となるとやはりなかなか難しいかな。息が長いのは、さっき挙げたようなほんの数人だけだよ。
それでも、とても面白いマーケットだ。
(*ここだけ一部意味取れず)、もし日本に興味があって、こっちに来て死に物狂いで頑張ることをいとわなければ、きっと面白いことが出来ると思う。
生活できるだけの稼ぎを得られるかは保証出来ないけど、やってみるべき面白いことはたくさんあるよ。
終/
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