シェーン・ガラース (Toque / B'z / MSG) 人生を決めたKISSとLove Gun Tour


日本では元B’z のサポートドラマーとして、また世界的にはイングウェイやマイケル・シェンカーとの活動で知られるシェーン・ガラース。



現在は、Slash のバンドメンバーThe Conspiratorsの同郷メンバー達とToqueというバンドで活動しているシェーン。


彼が昨年末に受けたインタビューがなかなか面白い内容でしたので、ご紹介したいと思います。



I: インタビュアー

S: シェーン


人生初の酒酔い


7:00


S: オレの親父は酒豪という訳ではなかったけれど、彼が酔う時は決まってラム&コークだった。


そして、オレ自身が人生で最初に酒で酔っ払ったのは、7歳でチェリーウイスキーを飲んだ時だった。



I: 7歳で!?


S: 確か7~8歳だったと思う。


オヤジが家の地下室にバーを作って、知人を呼んでパーティーをしてたんだけど、まだオレは小さかったから、バーカウンターの内側に忍び込んでも彼らからは見えなかったんだ。


偶然手に取ったボトルはチェリーウィスキーで、色がピンクっぽくて子供には魅力的に見えたんだ。



オヤジ達は皆既に酔っぱらっていたからオレに気付くこともなく、オレはふたを開けて臭いを嗅いでみた。


すると、チェリーっぽい香りがしたから、何口かゴクゴク飲んでみたんだ。


その後は完全に酔っぱらってしまったよ。8歳だぜ!?どうなるか想像つくだろ?(笑)


I: 笑



S: 1時間半後には吐き始めて、その夜は一晩中母親がオレに付き添いながらトイレで吐き続けたよ…(笑)


もう視界もずっとぐるぐる回ってる感じさ(笑)


その次に酔ったのは、ラム&コークが原因だったな、その一年後ぐらいにね(笑)


田舎のオレ達は大都会のキミ達ほど「洗練されていない」から、そうやって若くして飲み始めるのさ(笑)



KISSとの出会い


14:00 


S: 1975年、いとこがKISSの“ALIVE!”を持っていて“100,000 Years”聴かせてくれたんだけど、「この曲中のドラムソロ聴いてみろよ!」って言われてね。



聴いてみてぶっ飛んだよ。そして、ジャケットに写るジーン、ポール、エース、ピーター…まさに人生が決まった瞬間だったな。


その後、自分の友人達にもあのアルバムを聴かせてメンバーそれぞれの配役を決め、 “ALIVE!”のレコードに合わせて通しで「エアKISSごっこ」をやったよ。


オレはアイスクリームの容器を裏返しにしてドラム代わりに叩いてね。



自分にとって、あれこそがドラムにのめり込む一番最初のきっかけだった。あのレコードに合わせて叩きながら、グルーヴとかを耳で感じ取っていったんだ。


この頃は、もうとにかくKISS! KISS! KISS! という感じで、部屋にポスターも貼りまくってたよ。


作品で言うと、”Love Gun” のちょっと前、”Rock & Roll Over” の頃だったと思う。



人生初のコンサート!


15:50


その頃にはもうレコードも揃えて、彼らのことは何でも知っている状態だったんだけど、彼らが Love Gun Tour でカルガリーに来たんだ。


彼らが来ると聞いて、オレは親にチケットを買ってくれるように頼みこんだよ。


でも、オレはまだ10歳だったから、ロックコンサートに行くにはまだちょっと小さすぎた。


それに、オレ達イニスフェイルの人間は、日頃からそれほど頻繁に都会に遊びに行くタイプじゃない。



ましてや、当時は70年代。オレが初めてカルガリーのダウンタウンを見た時はゾクゾクしたよ。映画の中でしか見たことが無かった景色だったからね。


でも、最終的に親はその公演のチケットを買ってくれたんだ。


KISS Love Gun Tour、アリーナの18列目だぜ!?


I: シェーン、すごく羨ましいよ。僕はオーカナーガンという小さな町で育ったんだけど、バンドがコンサートで来るにはあまりに小さすぎたから、彼らを見る機会には恵まれなかったんだ。


話が逸れてごめんね、続けて。



S: いやいや、良いんだよ。こうやって互いの経験を共有できるのはとても興味深いからね。


で、会場はアイスホッケーでも使われていたノースランド・コロシアムだった。小さな町で育ったオレは、あんな数の観衆をそれまでに見たことが無かった。


しかも、これがオレにとって人生初めてのコンサートだったんだ。


それまでにどんなコンサートも経験していない10歳の子供が、いきなりアリーナだぜ?



会場に一歩足を踏み入れると、外周がロビーになっていて、それぞれの入り口から中が見えるわけさ。


そこに集まる無数の人々…実際には1万5000人とかだと思うけど、最高にクールな雰囲気だと感じたんだ。


本番が始まる前にローディーが楽器をチューニングする音がPAから聞こえてきたり、ステージ上にセットされたアンプや機材を目にした時は、「わぁー、これをポールやジーンが今から使うんだ!!」とめちゃくちゃ興奮したよ。



コンサートの「臭い」


19:25


I: 臭いってどうだった?(笑)



S: (良い質問だ、という表情で)自分達の席に座るだろ?すると、座った途端、すぐ隣の席の客がパイプを回してきた。


「あれは一体なんだろう?」と思いながらも、なんとなく「何かイケない臭いだな」とは思ったよ(笑)


I: 笑


I: あれさ、連中は一体何をシェアしてたんだろうな?あの頃って、皆回してシェアしてたよな?



S: そうそう。で、煙がモクモク漂うだろ?


母親が必死にオレを煙から守りながら「あの人達を見ちゃダメ!」って言ってたのを覚えてるよ(笑)