デイヴ・グロール (Foo Fighters) #2 / 進化&作曲のプレッシャー


そのキャリアを通じて、同じロックはロックでも毎回アルバムをリリースする度にバンドの新たな側面を見せてきたFoo Fighters。


今回はそのVo/Gt デイヴ・グロールのインタビュー訳・後編です。


今回の部分では「新作のカギになった曲」「作曲でのプレッシャー」等について語られています。



I: インタビュアー

D: デイヴ



踊りたいように踊れ!


5:30


D: この作品はオレ達にとって「金の時計」じゃない。(*退職祝いの定番)


オレ達の引退を祝うためのサントラのようなものじゃなく、「さぁ、パーティーは今からだ!」というような作品だ。



オレがリビングでこのアルバムをかけて踊っているのを子供に見られたりもするけど、今や誰に見られようがオレは気にしない。


オレは自分が踊りたいように踊るのみで、オレにとってこのレコードはそういう意味がある。(前記事参照)



ターニングポイントになったのは…


5:55


I: この曲なんかもそういった「ダンス」フィーリングを表す一曲だけと思うんだけど、ちょっと皆も聴いてみて。


(と言って↓"Shame Shame" を流す)



この曲ついて、ちょっと説明してくれる?


D: 実は、この曲こそがレコーディングのプロセスにおいて大きなターニングポイントになった。


最初、オレ達はたくさん曲の断片をデモとして録っていき、そこから「これは使えそうだな、これは違うな」という感じで選別していったんだ。


でも、結局は皆でやってみて初めてそれが形になりそうかどうかが見えてくるんだけどね。



ある段階で数曲をレコーディングしたんだけど、いくつかは「トゥーマッチ」に聴こえたんだ、あまりにも「今までのFoo Fightersっぽい」というかさ。


それで、そういう自分達の耳に馴染みのあるタイプの曲をボツにしたり、お蔵入りにしていったんだ。


新しいものを発見したり、これまでにやったことがないことをする喜びを感じたかったからね。



この曲が出来上がったのは、確かレコーディングに入って数週間した頃だったと思うけど、とんとん拍子で形になっていったよ。


シンプルなドラムビートを土台にして、こんな感じで指パッチンと足でリズムを取りながら…


(*別番組・↓の冒頭で丁寧に説明してました!)


実はさ、オレはずっとタップダンサーになりたくて、人生のゴールの一つでもあるんだ。


I: (笑)キミは上手いと思うけどな。


D: どうかな?タップ(足で音を鳴らす)は出来るけど、問題はダンスの方だな…。



とどまらず、前へ、前へ…


8:15


それはともかく、この曲をレコーディングした段階で、過去のどの作品とも異なる形が見えたんだ。


その時はすごく興奮したよ、自分達に変化や進化する力があると思えたからね。


「よし、これは脈ありだ!ステアリングを切ってこっちの方向に進もう!走り続けるぞ!」って感じで、すごく励みになったよ。



しかも、オレ達は研究室みたいな最新の機器が備わったスタジオではなく、独特の雰囲気がある古い家に機材や楽器を入れてスタジオとして使った。


ドラムはリビング、ボーカル録りは2階の浴室、キッチンでは誰かが料理をして…みたいな雰囲気の中で作ったんだ。


(↓怪現象が起きるといって昨年話題になりました!)


この経験自体も非常に面白いものだったんだけど、根底に流れている考えは、「次の25年も今いる場所にとどまるのではなく、前進し続けよう」ということだった。



プレッシャーはある


9:20


(前段落の「やったことが無いことを~」という話から)


I: キミはこれまでに "Everlong" や "Times Like These" のような、多くの人々の人生にとって色んな意味で大切なアンセムを書いてきたと思うけど、今回もまた同じようなタイプの曲を書かなきゃというプレッシャーはなかったのかな?と思ったんだけど?



D: 実際、そういったプレッシャーはあるんだけど「義務」はないんだよ。


もちろん、聴いてくれる人達に想いを寄せて…というのはあるよ。でも、そうする「責任」までは背負ってない、と言うかさ。


そこには独特なバランスがあるんだ。


オレが曲を作る時、オレは常に皆に一緒に歌って欲しいと思いながら書いてる。



「さぁ、一緒に歌おうぜ」と、オレはリスナーに向かって手を差し伸べてるんだ。


これはライブにも当てはまる。


オレ達がツアーに出て、数万人から10万人の前でプレイする時、彼らは皆オレ達の曲に合わせて歌ってくれるわけだけど、これってとんでもなくパワフルな瞬間なんだ。


そんなこと、人生の他の体験では起こり得ないよ。



様々な違いを持った人達が一同に集まり、3分間なり3時間なり共に歌うんだ。当然、こういうことは作曲の段階でも意識してるよ。


終/