今回インタビュー訳をお届けするのは、今や世界有数のロックバンドとなった Foo Fighters のデイヴ・グロール。
新作リリースに伴い、この数週間信じられない本数のインタビューをこなしまくっているデイヴですが、そもそも話が上手いですし、取材を受けるのが全然イヤじゃないんでしょうね(笑)
私はFoo Fightersの大ファンという訳ではないのですが、彼はいつもポジティブで観ていると元気になれるので大好きです!
今回の動画はカナダの放送局CBCのインタビュー番組”q” によるもの。
今やベテランとなった彼らが、どうやってインスピレーションを得ているのか、非常に興味深い内容でした。
I: インタビュアー
D: デイヴ
お決まりのサイクルの停止
0:10
I: 今、こうしてキミをゲストとしてここに迎えられてることは嬉しいんだけど、通常ならアルバムを出した後はツアーに出るよね?
でも、今回はそうじゃない。どうやって大人しくしてるの?
D: んー、まぁ、これも悪くないよ。
だって、オレは18歳から今まで…34年ほどずっとツアー中心の生活をしてきたわけでね。
18歳で高校卒業後、友人たちとバンに乗ってあちこちでプレイし、その後はDodge のバンの窓越しではあるけれど、幸運にも世界中を見て回ってきたわけさ。
長年、音楽がオレをそういった世界中の美しい場所に連れて行ってくれて、素晴らしい人達に出会わせてくれて、信じられないような経験をさせてくれてるんだ。
もう長い間、アルバムを作って、ツアーに出て、またアルバムを作って…というのがサイクルになっていたんだ。
でも、そのサイクルを止められることは、ある意味では助かったよ。
自分を見つめ直す時間が出来たんだ、「オレは何者で、これから何がしたいんだ?」とね。そんな深刻過ぎる感じではないけどさ。
言ってしまえば、オレは極度に活発でクリエイティブな「何もしてないヤツ」という感じだった。
毎日5つラザニアを作ることも出来れば、これまでの自身の経験を基にショート・ストーリーを書くことも出来るし、新たな曲を作ることも出来る。
こういった状況ってのは僕らを翻弄して、色々と考え直させるものさ。
I: で、キミはどこにたどり着いたの?
D: オレが言いたいのは、オレのラザニアは最高ってことだ!(笑)
I: 笑
ツアーに出るためだけじゃない
2:30
D: この状況で一番フラストレーションを感じたのは、オレ達が作った音楽を皆に直接届けられないということだった。
制作自体は、世界中がロックダウンに陥る前に終了していたんだけどね。
オレ達はこのアルバムをスタジアムやフェスでプレイし、ウン万人のオーディエンスが共に歌ってくれるのをイメージして作っていたのに、いきなり全てが停止してしまった。
でも、そうなった時に思ったんだ、「待てよ、オレ達が音楽を作る理由は決してそのためだけじゃないだろう」と。
聞いてくれる人達に、幸福・救い、逃避…なんでも良いんだけど、そういった色んな思いを感じてもらうためにオレ達は作ってるんだ。
もちろん、ツアーがなくなったことはまだ歯がゆいけれど、でも決してツアーに出るためだけに音楽を作ってる訳じゃないということを感じたんだ。
スタジオに入る時の意識
3:30
I: これはバンドにとって10枚目のアルバムだけど、スタッフや周囲の人達から「記念すべき10作目だね!」と言われて意識したのか、それともバンド自らが「10作目だし、何か特別なことをやろう」という感じだったの?
D: この25年間、オレ達が制作に入る時は常に「これが最後のアルバムだとしたら…」という思いで取り組んできた。
(声色を変えて偉そうに・笑)「オレ達はあのFoo Fighters だぞ。また新たな大ヒットアルバムを生み出すんだ!!」みたいな、決してそんなテンションじゃないよ。そんなの上手く行かないしね。
スタジオに入るときは、いつでも新しいバンドを結成したかのような気持ちで入るのがベストだと思うな。
アルバムを作る時ってのは、毎回色んな意味で真っ新なところから始めるようなものだからね。
I: へぇ、そういう感覚なんだ。
ダンスアルバムではなく…
4:20
D: ただ、今回だけはちょっと違ったかな。25年間の過去を反映させたかったからね。
制作中はバンドの持続性への意識みたいなものもあって、要は「自分達を喜ばせること」「自分達を驚かること」さらには、「自分ではできると気付いていないことに挑戦すること」に尽きるんじゃないかと思うんだ。
自分達の過去の作品を振り返ると、騒がしいパンクロックもやった、不協和音が鳴ってるようなヘヴィなヤツもやったし、逆にアコースティックでもう少し落ち着いた感じのものもあった。
でも、オレ達がまだやったことが無かったのは、もっとグルーヴにフォーカスした作品…ブギーとかね。
オレ達はダンス・アルバムを作りたかったのではなく、皆が自然とダンス(体を動かして)しまうようなアルバムを作りたかったんだ。
続く…
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