Phil X (BonJovi) #3 / 成功の秘訣・スタジオ裏話


BonJovi のギタリスト、フィルXのインタビュー訳Pt.3、今回が最終回となります!


様々なセッションワークを経験してきたフィルだけに、今回も面白い話が登場します!



元の動画が直接リンクを許可しない設定になっているようなので、ご覧になりたい方はこちらからどうぞ。


V: Van Druten(左上)

M: McCarthy (右上)

P: フィル


常に準備万端にしておく


20:20


*カナダからハリウッドに移り、スタジオワークのチャンスをモノにしてきたことについて


V: 後々、自分の人生を大きく変えてしまうような小さなチャンスの欠片、それがやって来た時にしっかりとそれに応えることはとても重要だよね。


P: オレは「ハードワーク信望者」なんだ。オレのLAでのキャリアを振り返ると、真のハリウッドストーリーだと言えるよ。



1999年、(超有名)プロデューサーのスコット・ハンフリーがトミー・リーのMethods of Mayhem のレコーディングをLAでやっていた時、オレはそのスタジオのガレージでペンキを塗っていた。


V: へぇー!!


P: ある日、トミーが「この作品にはギタープレイヤーが必要だ!」って言い出して、スコットは「じゃあ、フィルに弾かせてみよう」となったんだ。



もちろんトミーは「は?あのガレージでペンキを塗ってる野郎に!?」って感じだった。


V: 笑


P: そうしてオレは塗装用のブラシをレスポールに持ち替えて、ギタートラックを重ね始めたんだけど、音を聴いたトミーは「Dude! 最高だよ!この曲だけじゃなく、アルバム全体で弾いてくれ!」となった。


「適切なタイミングで適切な場所にいる」、これは大切だ。



この二人がオレの前に現れていなければ、オレはペンキを塗り続けていただろうけれど、それでもオレの「準備は出来ていた」からね。



結果で示す


21:30


P: オレがアリス・クーパーのアルバムに参加したのは、プロデューサーのボブ・マレットがきっかけだった。



当時、彼はオレの名前を聞いたことが無かったんだけど、「ギターとベースのバッキングトラックはオレが全て弾いたんだが、仕上げの『魔法の粉』が欲しいんだ。やってみてくれ」と。


2人: 笑


P: オレはここでもカマしてやったのさ。ボブは「わぉ、こりゃスゴイよ!どんどん重ねていこう!」って言ってくれてね。


という感じで、「その時」がやってきた時には、準備万端の状態でなきゃいけないのさ。


(↓なかなかカッコいいです!)


オレはソングライターでもあるから、曲に関するアイデアは大量に持ってるし、本能的に曲が求めるものを理解できる。


例えばアリス・クーパーの曲であれば、あのホラー映画的なコンセプトを自分の脳にインプットして音にしていく。


ボブはオレが思いついたフレーズに興奮してくれてたよ。



面白かったのは、ロブ・ゾンビがアリスにオレの電話番号を教えて、アリスがボブにオレを起用するように伝えたそうなんだ。


でもボブは(疑いの声色で)「僕はキミのことをよく知らないけど、ボスが使えって言うから何曲かでキミに弾いてもらうよ」って感じだった。


でも、一度オレの音を聴くと「曲はまだまだあるぞ!」って言い出したよ(笑)オレが求められた仕事をちゃんと遂行したからだと思う。


あの有名プロデューサー


25:30 


V: (フィルがロブ・ゾンビと一緒に仕事をしていた頃)僕は、ステージの横でテープトラックを回したりサウンドを担当してたから、ロブのアルバムに収録されたトラックを個別に聴くことが出来たんだ。



あの時キミが弾いたギタートラックは本当に素晴らしかったのを今でも覚えてるよ。


P: ありがとう。プロデューサーだったスコット・ハンフリーは、ギターサウンドを捕らえるのが本当に上手かった。


ギターを重ねていくための感覚に優れていたね。オレが思いつくどんなフレーズも、工夫して上手くフィットするように仕上げてくれたんだ。



面白いのはさ、ボツになったフレーズだ。


例えば、彼とオレが一緒にレコーディングをしていて、あるフレーズをその曲で使わなかった時、彼はそのフレーズを廃棄せずに「保管」しておくんだ、将来の別のプロジェクトのためにね。


V: なるほど…


P: オレからしたら「ん?ということはギャラも倍か?」って話なんだけどさ(笑)


2人:笑



V: 実際、キミが弾いたギターをスコットが手掛けた別のプロジェクトで聴いたことはあるの?


P: それだよ!ちょうどあの頃、スコットはニッキー・シックスのプロジェクトも手掛けていてね。彼が今やってる Sixx AMとは違う、54とか言ったっけな?彼が生まれた年にちなんだ名前のプロジェクトだった。


オレはあのアルバムのためにギターリフを弾いたんだけど、それが終わってオレ達が一緒にMethods of Mayhem のギター録りをしていた時だ。



彼は自分の保管ファイルから音を取り出してきて、「こんな感じのフレーズを弾いてくれるか?」ってオレに頼んできた。


オレは言ってやったよ、「これ、弾いてるのオレだと思うけど!」って(笑)


2人:爆笑


P: スコットは慌てながら「えーっと!あれ、おかしいな!?ラベルが貼ってなかったから何かと勘違いしたのかな!?」だってさ(笑)



終/