ハワード・ブレイク (映画音楽/Queen) #3 伝説のFlash Gordon



80年代に話題を呼んだSF映画 "Flash Gordon"。 


Queen の参加で大きな話題となったそのサントラを手掛けた一人が、今回インタビュー訳をお届けしているハワード・ブレイクさん。


Pt.1~2でとんでもないエピソードが次々に登場しましたが、今回が最終回!



今回はちょっとかわいらしいエピソードも登場します!


I: インタビュアー

H: ハワード


フレディの印象


12:45


I: Queen のメンバーはどんな感じでしたか?一緒に仕事しやすかったですか?


H: とても良い連中だったよ。僕はフレディとも上手く仕事が出来たしね。


フレディが僕に「惑星アーボリアに向かうシーン用に作った曲があるんだけど」と言って聴かせてくれたのがこんな感じだった。


*13:40参照


彼は非常にユニークなファルセットで歌ってくれたよ。


どちらかというと、フレディは偉大なパフォーマーとして世間に認知されているけれど、彼の音楽的な実力もまた素晴らしかった。


彼はピアノ以外にシンセサイザーもプレイ出来たし、作曲の実力があることも明らかだったよ。



14:15

I: あなたから見て、音楽を離れたところでのフレディはどんな人でしたか?


H: 僕はその3日間のレコーディングと、その準備をしていた時期の彼にしか会っていないからね。


でも、彼は物静かで控えめな人だったよ。あのステージ上での彼からは想像もできないような。



あと、とてもシャイでね、僕に話しかける時にもわざわざ「今、ちょっと話しても良い?」って感じだったな(笑)



フレディとの共作曲


14:55

I: あなたはご自身で書きあげた曲についてどんな感想をお持ちですか?


H: ここでピアノで聴かせようか?


I: そうして頂けるのなら、もちろん!


(*15:25~16:40参照)


H: これはフレディが10小節・僕が12小節を書いて共作した曲だ。


I: 素晴らしい!クールな曲ですね!



ブライアン・メイと…


17:08

I: ブライアン・メイとのエピソードは何かありますか?



H: ああ、あるよ。


このサントラのレコーディングが一通り終わり、長時間にわたるダビングとか編集も済んだ後、彼が電話してきた。


「最終版の音源が仕上がってカセットに落としたから、キミにもチェックして欲しい」と。


偶然にも当時ブライアンは、モートレイクで僕のご近所さんだったから、「了解、じゃあ今からキミの家に行こうか?」と言うと、「悪いんだけど、今僕の家のステレオが壊れていて使えないんだ」とのことだった。



逆に、彼は僕の家にステレオがあるか訊いてきたんだけど、当時うちの子供がまだ小さくて家では大きな音を出せなかったから、僕も家にはステレオを置いていなかったんだよ。


ところがその時、当時二歳だった下の子供が使っていたミッキー・マウスのおもちゃのカセットプレイヤーがあることに気付いたんだ(笑)


ブライアンにそれを伝えると「構わないよ、それで一緒に聴こうじゃないか」と言うんだ。僕は「本気か!?」と思ったよ!(爆笑)



で、彼が僕の家に来てくれたのは良いんだけど、そのミッキーのカセットプレイヤーのコンセントが短くて、移動させられなかったんだ。


仕方ないから、僕らは子供のベッドの下に潜り込んでスピーカーに耳を傾けて、 ”Flash Gordon” のサントラ完成版を最初から最後まで、このミッキーマウスのプレイヤーで聴いたんだ!(笑)


I: 最高ですね!そのエピソードも 映画“Bohemian Rhapsody” に含まれるべきでしたよ(笑)



H: 確かにね。でも、狂ってるよね。


70億円もかけた大作映画のサントラの最終版をあんなチープなミッキーマウスのカセットプレイヤーで聴いたなんてさ!(笑)


終/