イーサン・メイツ / エンジニア (RHCP / Linkin Park) #2


Linkin Park, Red Hot Chili Peppersの作品でエンジニアを務め、Motley Crue の "New Tattoo" アルバムにも携わったイーサン・メイツさんのインタビュー訳Pt.2!



今回は Linkin Park とレッチリ(以下RHCP)のレコーディングスタイルの違いや、少しだけ関わったというモトリーのお話です!



I: インタビュアー

E: イーサン



二大バンドの違い


26:15

 

I: あなたは Linkin Park・RHCP と深くかかわってきましたが、彼らの違いについては何かありますか?



E: 何にせよ、彼らがやっていることは全てクールな訳だけど、バンドとしては全然違うね。


Linkin Park はRHCPと違って、必ずしもスタジオに入ってジャムをするわけじゃない。


Linkin Park の場合、誰かがあるアイデアを思い付いたら、誰か2人のメンバーがそれを発展させて、それをまた別の2人に回して…みたいに、メンバーそれぞれのインプットを入れていく。



ある程度形になったところでメンバー全員が集まって、「ここのドラムが~」とか「ブリッジを変えてみないか?」みたいな感じで磨きをかけていくんだ。


なので、彼らは時間をかけてどんどん曲を発展させていくタイプだ。じっくりと考え、試行錯誤して、よりクールな方に仕上げていく感じだね。


I: Linkin Parkがそういう構築していくタイプであるのに対して、RHCPはもっとその場その場のフィーリングで作っていくイメージがありますが?



E: もちろん、RHCP もソングライティングにはすごく時間を割くし、事前に曲のアイデアをある程度固めてからスタジオに持ってくることもあるよ。


彼らだってソングライティングに数か月かけることもあるけど、レコーディングでは、とにかくベスト中のベストのパフォーマンスを目指しているね。


最大限フィーリングを注ぎ込んで、正確なテンポで、その曲の「完璧な状態」というのかな。



ということで、Linkin Park の方はある意味、「スタジオをソングライティングのツールとして利用している」感じがあるね。



現実味が無かった当初


30:50


I: あなたはこれまでにRHCP の複数の作品に携わってきたと思いますが、彼らと一番最初に仕事をした日は覚えていますか?


E: もちろんビビってたさ、全く現実とは思えない感じというか…。


今でも彼らとスタジオで一緒になったり、ステージの袖でパフォーマンスを見てたりすると、20年経過した今でも本当に信じられない気持ちになるね。



I: 彼らと知り合ってもう20年になるんですか?


E: そうだね、僕はLAに出てきてからしばらくヒップホップグループとかのプロデュースをやっていたんだけど、しばらくしてProtools を使いだしたんだ。



で、当時のRHCP のプロデューサー、リック・ルービンの下で働いていたProtools のエンジニアが、リックの他の作品で追われて手が回らなくなっていた。


そこで僕に連絡があって、彼らのレコーディングに一年以上参加することになったんだ。オーバーダビングやらミキシング、細かい点に至るまでね。


I: 具体的にはどの作品に携わったんですか?



E: 僕が最初に深くかかわったアルバムは ”By The Way” だ。その後の ”Stadium Arcadium” もやったけど、あれは全部ではなかったね。


その後もライブ作品とか、あちこちで仕事をさせてもらってるよ。


New Tattoo時代のモトリーの様子


28:35 


I: あなたはMotley Crue の ”New Tattoo” アルバムのレコーディングにも参加しましたよね?

あの仕事はどういう感じでしたか?



E: あれに関しては、僕はアシスタント的な立場だったよ。最後の方にちょっとした編集をやったぐらいかな。


あの時、彼らがレコーディングしていた同じスタジオで、僕は別の仕事に関わっていたんだ。


あのアルバムのプロデューサー、マイク・クリンク(*ガンズの Appetite 等でも知られる)はミックスのためにエド・サッカーというエンジニアを雇っていたんだけど、彼も当時すごい量の仕事を抱えていてね。



僕はProtools 関係のことでエドをサポートしていたんだけど、エドとマイクはチームのように動いていたから、自然と僕があのアルバムに少し関わることになったんだ。


僕が入った段階では既にベーシックトラックは仕上がっていたから、Gtソロやボーカルのちょっとした作業だけだったね。


30:05 

I: (2000年頃)当時のメンバーはどんな様子でしたか?まだパーティー三昧な連中でした?(笑)


E: いやいや、全くだね。すごく良い人達だった。まぁ、僕がまだ20歳前後の小僧だったからというのもあったかもしれないけど。


全然ロックスター気取りもなく、もうパーティー野郎の時代は終えていたよ。仕事が終わったら、きれいな奥さんが待つ家に直帰ってとこさ。


*ヴィンスも歌えてるし・サマンサ姐さんのドラムもgood! 


続く…