トム・ワーマン #1 / The Dirt と Twisted Sister について


モトリー・クルー、ツイステッド・シスター、ポイズン等、錚々たるバンドの作品を手掛けてヒット作を連発したプロデューサー、トム・ワーマン。



ボブ・ロックやブルース・フェアバーンほど知名度は無いかもしれませんが、彼も確実に時代の音を築いた一人です。


今回はそんな彼のインタビューから抜粋して要訳をお届けしていきます。



I: インタビュアー

T: トム


映画The Dirt について


I: モトリーの映画 “The Dirt” に関して、何か感想はある?


T: ああ、(ニッキーの著書)「ヘロイン・ダイアリーズ」に比べたら、かなり事実に忠実に描かれていたと思うよ、それは間違いない。



あと、僕がフィーチャーされていないくて良かったよ。あそこまで正確なものになるとは思っていなかったしね。


バンドというものは、アルバムが売れたらそのプロデューサーをベタ褒めするし、売り上げが悪ければ責任の全てを擦り付けてくるものだ、20年後にね(笑)



バンドが「オレ達はあのプロデューサーと喜びを分かち合い、素晴らしいレコードを共に作りあげたんだ」なんて、滅多に聴かないだろ?


まぁ、とにかく自分があの映画に含まれなくて良かったよ。


恐らく、QUEEN の「ボヘミアン・ラプソディ」のロイ・トーマス・ベイカーにも同じことが言えるんじゃないだろうか?



彼はあの映画の中で本当に一度言及されただけだった。レコード制作のあらゆる面において貢献したはずなのに。


あの映画では、まるでバンド側は外部の人間の功績を認めたくないように見えたよ。



話を戻すと、モトリーのドラッグ問題を別にすれば、僕は彼らとのレコーディングを楽しんだよ。


あの当時の僕にとっては、新しく、ワクワクするような体験だったからね。



Twisted Sisterについて


2:50 


T: ディー・スナイダーは、間違いなく僕が仕事をした中で最低の人間だった。アルバムの制作を終えるまで、彼がそういう人間だとは気づかなかったよ。



僕らがアルバム “Stay Hungry” をミックスしていた時、彼もずっと隣にいて、全ての作業は彼の許可のもとで進んでいた。


ところが、あのアルバムの制作が終わると、彼は僕と一切口を利かなくなり、彼の著書の中では「トム・ワーマンは僕らのアルバムをめちゃくちゃにぶっ壊したと思ってる」と書いてあった。



ま、それが「偶然にも」700万枚も売れっちゃったんだけどね!(*皮肉たっぷりに・笑)


I: あのヒットが無ければ、次のアルバム “Come Out and Play” の50万枚もなかったと思うよ。



T: その通りさ。


僕は決して天使じゃないし、世界一付き合いやすい男でもないだろう。それでも、僕はあのアルバムで良い仕事をし、彼らを上手くラジオでのオンエア獲得に導いたと思うよ。


続く…



まぁ、バンドとプロデューサー間のあるあるですよね(笑)


しかも、近年でこそ彼のような裏方の人の言葉もかなりクローズアップされるようになってきましたが、昔はネットやSNSもなく、ファンにとってはアーティストの発言が全てでしたから…。


こればかりは両者それぞれの立場・言い分があるので、真実がどうなのかは知りようがないですが…(汗)