Metallica や BonJovi 等錚々たるバンドを手掛け、ヒットを生み出してきたエンジニア&プロデューサー、ボブ・ロック。
彼のインタビュー抜粋訳後編、今回はモトリーの自伝映画 "The Dirt" 制作時の話です。
ニッキーの成長
39:33 ~
映画 “The Dirt” についてだけど、僕とニッキーで基本的なデモを作り、それをトミーに聴かせたんだ。彼はすぐに気に入ったよ。
ここで素晴らしかったことは、この仕事のために僕とニッキーが再会するまでの4年ほど、彼はずっとベースレッスンを受けていたんだ。
もちろん、ニッキーは昔から良いベース・プレイヤーだったけど、今回のデモで彼のプレイを聞いた瞬間に「おいおい、一体どうしたんだ?キミに何が起きたんだ!?」って感じだったよ。
彼はフィンガー・ピッキングをやったんだけど、音も素晴らしければタイム感も素晴らしかった。
そのデモのプレイがあまりにも良かったので、僕は「このデモのトラックを基に仕上げよう」と彼に伝えたんだ。
僕らはドラムとベースを録ってそのデモに組み込んだんだけど、その仕上がりに彼らは子供みたいに喜んでたよ。あれは最高の体験だったな。
ミックがサウンドのカギ
その後、僕はミック・マーズとの作業に入ったんだけど、これがしっくりこなかった。
僕らが一度録った音を他のメンバーにも聴かせたけど、彼らも同様の意見だった。
モトリー・クルーらしく聴こえなかったんだよ。
トミーとニッキーがプレイし、曲も良い。
一応仮歌も入っていて、ミックのギターの後にヴィンスが本番のボーカルを入れれば、多少モトリーらしくなるとは思ったけれど、ギターだけがモトリーらしく聴こえなかったんだ。
もちろん、プレイのクオリティーそのものは良いんだけどね。
で、まず僕がミックと話し合いを始め、その後彼がトミーの家でのレコーディングにやって来て、初日の4時間経過したぐらいかな…
遂にしっくり来るサウンドを掴んで、突然モトリーらしく聴こえ始めたんだ。
これはなぜかというと、ミックのギターというのは、他の3人のプレイよりも「モトリー・クルー・サウンド」に対する貢献度が高いからだ。
彼の弾き方とサウンドはそれほどまでに独特で、ミックにしか出せないものだ。彼がそのカギとなるサウンドを掴んでからは、すぐにモトリーらしくなったよ。
ご存じの通り、彼は健康面で問題を抱えているけれど、あのサントラ曲では素晴らしい仕事をしてくれたし、僕も非常に楽しかった。
終 /
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