ヌーノ・ベッテンコート #3 / エクストリーム運命の瞬間


エクストリームやイングヴェイらとの合同ツアー"Generation Axe"でも知られるギタリスト、ヌーノ・ベッテンコートのインタビュー要訳!



前回はエクストリームで組むことになるボーカリスト、ゲイリー・シェローンとの出会いについてでしたが、今回は二人が組むに至るそのドラマみたいな話が語られています。



ゲイリー・シェローンの直観


5:31 ~



数日後、彼は僕に電話してきたんだ。もちろん、まだ黒電話の時代さ。以下…


N:ヌーノ・ベッテンコート

G: ゲイリー・シェローン


G: 「知り合ったばかりでこんなこと言うなんて、きっとオレのことをイカれたヤツだと思うだろうけど、オレはキミにバンドに入って欲しいんだ」


N: 「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、キミは僕のプレイを見たことすらないだろ?」



G: 「ああ、確かに。でも、見る必要なんかないさ。こないだのオレ達の会話でわかったんだ」


N: 「悪いが、加入はできないよ。今のバンドで最初のアルバムのレコーディングを終えたばかりなんだ。とりあえずさ、今度ライブを観に来いよ」



クールだったゲイリー


6:21 ~


で、僕らは当時KIXやPoisonがよくプレイしていた地下にあるクラブでやったんだけど、そこにゲイリーが観に来てくれた。


ライブの後、彼は「素晴らしいプレイだった。なぜキミがオレじゃなくて、このバンドとやりたいのかよくわかったよ。上手く行くように願ってる」と言ってくれてね。



彼はこういう振る舞いが出来るほどクールなヤツだった。



突然の脱退宣言


6:44 ~


ところが、その20分後だ。僕は「ロックンロールの悪魔」に憑りつかれでもしたんだろうな。


バンドの連中がファンやスタッフと談笑しているその騒がしい場所の中で…ほら、映画の中で良くあるだろ?主人公だけが静寂の中に取り残されてるようなシーンが。



まさにあれが自分に起きたんだ。僕は自分のギターを掴み、連中に告げた。


「なぁ、オレ辞めるよ。悪いが、オレは行かなきゃいけない」って。


最初のアルバムをたった今仕上げたばかりなのに、だよ。



映画のような展開


7:15 ~


その言葉が自分の口から出てくる0.001秒前ですら、僕はバンドを辞めようなんて思ってもいなかったと誓うよ。


陳腐な言い方をすると、「運命」とでも言うのかな…わからないけどさ。



当然、そこから口論になったんだけど、僕は言葉を浴びせられながらそこを離れ、階段を上り始めた。


で、階段の上を見ると、20分前に出たはずのゲイリーがまだそこで女の子と話していたんだ。


B級映画みたいな話だろ?(笑)



で、僕はゲイリーにこう呼びかけたんだ。


「おい、明日の練習は何時からにする?」って。


これが全ての始まりさ。


終/ 


いかがだったでしょうか?


離合集散が無限に繰り返されるこの業界で、上手くいくメンバーが集まることだけでも奇跡ですし、そこから世間に認知されることはさらにすごい確率だと思います。



メディア露出が決して多くないヌーノからこういう話が語られたのは、非常に興味深いと思います。


いつかゲイリーのインタビューも聴いてみたいですね!


ご覧頂き、ありがとうございました。