今回はインタビューではないのですが、マニアックなことをやっているYouTuber を発見したのでご紹介したいと思います(笑)
ボビー・ハフさん という方が Dr. Bob という名の元、サウンド面から様々なアーティストの名盤・名曲を深堀していくというなかなかマニアックなチャンネルです。
過去の動画を見る限り、どうも彼はDef Leppard と彼らのプロデューサーとして知られるマット・ランジのファンらしく、Def Leppard の名盤でどのようなプロダクションが行われたかをわかりやすく解説してくれています。
Hysteria のクレイジーなウワサ!?
まずは、私が偶然出会ってしまった最新動画、「マット・ランジ、最大のウワサを解明」という動画を要約しながらご紹介!
私はデフレパの大ファンという訳ではないので知らなかったのですが、サウンドに関して相当こだわりの強いマット、デフレパの名盤 “Hysteria” の制作において…
「ギターのサウンドをより良く響かせるために、アルバム全曲でコード(和音:複数の音で構成される音)をわざわざ分解して一音一音ギタリスト達に弾かせて録音していったらしい」
というトンデモ都市伝説があったそう(笑)
これに関してインタビューで質問されたフィル・コリンは、「そんなアホな!(←意訳)僕らがその録り方をしたのは “Hysteria” の ”I gotta know tonight…” で始まるブリッジの箇所だけだよ!」
と答えたそう。
これ、楽器をプレイされる方ならわかると思いますが、なかなか「めんどくさい上にその効果に疑問符が付くアプローチ」なのです(笑)
例えば、Aのコードは、ラ・ド#・ミという3つの構成音を同時に鳴らすことでその響きになるのですが、この3つの音を本来のように一気にジャラーンと鳴らして録るのではなく、3音をそれぞれ別に録り、「後から編集で重ねていく」ということです。
先出のフィルのインタビューによると、
「あの時、マットの頭の中には特定の響きが浮かんでいて、それはキーボードではなくギターのサウンドだと彼はわかっていたんだ。
しかも、それはアルペジオではなく、『コード感があるのに一音一音の輪郭はハッキリしている音』だったらしい」
とのこと。
私のような三流ギタリストが聴くと、「おい、舐めとんかい!まずお前が弾いてみぃ!」とキレるシーンですが(笑)、そこは一流のフィル、彼のディレクションに従い、最終的には狙い通りのサウンドになったそうです。
ボビーさんによる実演①
1:35
ここからボビーさんが実際に自身のギタープレイとトラックを用いて、それがどのように形になっていったかを説明してくれます!
(*↑本家の動画0:53 ~始まる箇所の再現となります)
ボビーさんが拾った音によると、なんとこのセクションで5つのトラックが鳴っているのではないか?とのこと…
それぞれの音⇒1:59~3:56
完成・調整した音⇒6:20~
ボビーさん曰く、
「キーボードで弾く方が簡単なはずのフレーズをこうしてギターに落とし込み、フィルと協力して緻密に組み立てた結果、長年僕らの心に残る名曲・サウンドになった。これもマットの素晴らしいテクニックの一つ」
とのこと。
マット・ランジのボーカルトリック
2つ目の動画はこちら、「マット・ランジのボーカルトリック」です!
80’sロックの曲ではよく耳にする、「群衆が歌っているかのようなコーラス」 。
真っ先にに頭に浮かぶのは、Def Leppard の”Pour Some Sugar On Me” ではないでしょうか?
あのバッキングコーラス、どうやって演出しているかをボビーさんがこれまた歌って実演しながら解説してくれます!
ボビーさんによる実演②
0:45~
まずはメインのボーカル、ボビーさんかなり良い声&デフレパっぽい!
メインとなる音程を録った後、1:25~オクターブ下のパート。
これだけでも充分デフレパの「あのコーラス」っぽいのですが、3:05~始まるパートこそが所謂マット・ランジの「テクニック」。
ボビーさんが「ウィスパー・ボーカル」と呼ぶ「ささやくようなコーラス」を重ねることでより切迫感が加わり、アリーナで歌う観客の声のような響きを得られるそう。
6:50~は、「ウィスパーボーカルのある時・ない時」の比較もしてくれているので、是非見てみてください。
本家のマットはもう少し控えめに重ねている感じがしますが、それでも名曲の演出に隠された演出をここまでわかりやすく解説してくれているのはありがたいですし、非常に興味深いですよね!
それに、本家への愛情が無いとこんな動画まず作れないでしょう…(笑)
また面白そうなものがあればご紹介したいと思います!
終/
0コメント