先日の前半に続き、ダグ・アルドリッチのインタビュー訳・中編!
本来であれば前・後編でお届けするつもりが、「私的に」面白い箇所が意外と多く、急遽三部構成とさせて頂きました!
今回の箇所では、彼がこれまでに参加してきたバンド、特にボーカリストを中心にして語られています!
I: インタビュアー
D: ダグ
素晴らしいシンガー達との活動
20:30
I: あなたはこれまでに世界有数のシンガー達と活動を共にしてきましたよね。
WhitesnakeのD.カヴァデイル、DioのR.J.ディオ、そして今回はThe Dead DaisiesでG.ヒューズと一緒です。
こんな経歴を持てる人はごく稀ですよ。
D: あと、J.コラビもそうさ。
シンガーで振り返ってみると、僕は一番最初のバンドLionでは、スコットランド出身のシンガー、カル・スワンと活動を共にしていた。
僕らはThin Lizzy やZeppelin、そしてもちろん初期のWhitesnake から強い影響を受けていたよ。
カルがD.カヴァデイルの大ファンで、僕もWhitesnakeの作品は大好きだったけど、同時に僕はDioの大ファンでもあった。
ロニーは最初、1990年に彼のバンドへの加入をオファーしてくれたんだ。
でも、当時の僕はLion で何とか成功したいと思っていたし、レコード会社を移籍したいと考えていたんだけど、契約面でゴタゴタしていてね。
結局ロニーのバンドには加入せず、僕はHurricane というバンドで、ケリー・ハンセンと組むことになった。
彼もまたとんでもなく素晴らしいシンガーだったな。
その後の数年は、ブライアン・マックナイトとかティファニーとか、ポップ畑での仕事をしたり…
(話には出ていませんが、90年代にはBad Moon Rising / Burning Rain でも活動していました)
ロニーから再度オファー
22:25
D: 2001年頃にロニーが再び電話をくれて、「アルバムで数曲弾いてみる気はあるか?」と訊くから、僕は「いえ、数曲ではなくあなたのバンドのギタリストとして参加したいです」と答えたんだ。
「前回オファーを断ったのは、寝食を共にしていたバンド仲間達と離れたくなかったからですが、今は状況も違い、僕も準備が出来ています」と。
こうして僕はDioに加入し、僕らは素晴らしい時間を共にしたよ。5月頃からクリスマスシーズンに入るまで、みっちりツアーをこなした。
Scorpions やDeep Purple と一緒に周ったし、ロニーからもたくさんのことを学んだよ。
*ちなみに、Dio加入の詳しい経緯は⇒ 過去記事
才能とスキルだけではない
23:20
D: そんな中、「Whitesnakeとして数か月間ツアーに出るんだが、スケジュールはどうだ?」とD.カヴァデイルから突然電話があった。
結果的に、その「数か月」が約12年になったわけさ。
最初に話したLion の時から考えると…僕はロニーやデヴィッドと一緒に仕事をし、ジョン(・コラビ)ともやったし、今はグレン(ヒューズ)だ。
当時の僕が聞いたらとても信じられないだろうね。誰がこんな幸運を手にすることが出来るだろう?
I: もちろん、才能やステージでの存在感も大切ですが、一緒に仕事をする仲間と上手くやれなければ、誰も起用してくれませんから。
D: 自制しようと努力することは大事だと思うよ。
とてつもない才能に恵まれているのに、幸運を掴めなかった連中ってたくさんいるだろ。
Dio にもっと長くいるつもりだった?
24:50
I: あなたがロニーと作った ”Killing The Dragon” アルバムは、「ロニー復活」のきっかけになった素晴らしいアルバムだと思います。
あなたはロニーのバンドにもっと長くいるつもりでしたか?
D: んー、僕は自分のキャリアに関して綿密に計画を立てたことはなかったよ。常に流れに従って、という感じかな。
そういう姿勢が良いこともあれば、好ましくない形で働くこともある。
例えば、あるバンドに加入して1~2枚アルバムを作りバンドを去っていくと、それに対して怒るファンもいるわけさ。
一部のロニーファンもそうだったように思う。
Dio のようなバンドに加入すると、まずファンの信頼を得るところから始めなきゃいけないんだ。
何せ、過去のギタリストがヴィヴィアン(・キャンベル)やクレイグ(・ゴールディー)だろ?
あと、ローワン(・ロバートソン)も含め、彼らは皆揃って素晴らしいプレイヤーだからね。
でも、そこで頑張って最終的に居場所を自ら作り、ファンからも認められ…
そこからいざバンドを去ることになると、一部の連中は「なんてヤツだ!」となるわけさ(笑)
でも、僕はロニーが大好きだったし、彼との活動は最高だった。
ただ、音楽的な面で言うと、僕はデヴィッドのスタイルによりフィットするんだ。
僕は彼がDeep Purple にいた時から好きだったし、Whitesnake をスタートさせてからはさらに好きになった。
初期のWhitesnake のアルバムはほんとに名盤揃いだと思う。
当時、アメリカでWhitesnakeはまだあまり知られていなかったから、あの辺りのアルバムを僕に紹介してくれたLion のカルにはほんとに感謝しているよ。
続く…
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