前回に引き続き、BonJovi のギタリスト・フィルXのインタビュー訳後編をご紹介!
今回は主に彼のソロバンド Phil X & The Drills の新作と、現在住んでいるナッシュヴィルについての話が中心です。
非常にユニークなコンセプトで制作された新作と、様変わりするナッシュヴィルの話、興味深いです!
I: インタビュアー
P: フィル
Stupid Good Lookings Vol.2
6:30
P: (基本的には一人のドラマーと一曲ずつのコラボだったけど)状況的に、一人のドラマーと複数の曲を録る時間的余裕があるケースもあった。
特に、ブレント・フィッツ(Slash & Myles Kennedyのバンド)の場合、オレ達はエンジニアのクリス・ロード・アルジのレコーディングプロジェクトに協力する形でキャピタルレコード・スタジオで3曲録ることが出来た。
クリス・ロード・アルジ
アメリカの超売れっ子エンジニア。
U2・BonJovi・Avril Lavigne・James Brown 等のミックスを担当し、特にGreen Day とは複数回のグラミーを受賞。
90年代にはB'zのアルバム、"The 7th Blues" を手掛けた意外な過去も。
ということで、”Stupid Good Lookings Vol.2” は、複数の曲で叩いてくれたドラマーがいるのもあって6人のドラマーで10曲入りになると思う。
I: あなたの活動レベルで毎曲違うドラマーとプレイするなんてのは、非常に野心的なプロジェクトですよ。
それを考えると、あなたが(LAから)ナッシュヴィルに引っ越していたのはラッキーでしたね。そちらには優れたドラマーがたくさんいるはずですから。
P: いや、もうレコーディング自体は終わってるんだ。
ちょっと大変だったのは、BonJovi への加入だった。
オレがこのプロジェクトのレコーディングを開始したのが2015年ぐらいで、その翌年にオレはBonJovi に正式に加入した。
そこからはもちろん「ジョンのスピード感」に合わせて仕事をするわけだから、自分のソロに関することは先送りにしなくちゃいけなかった。
で、”This House Is Not For Sale” が出て、ツアーで相当数のステージをこなして、しかも2013年と2016年には子供が出来たから、パパとしての役割もあったんだ。
ツアー以外の間は家にいてパパでいてやりたいしね。父親でいるということは、人生で最も素晴らしい経験の一つだよ。
彼らとのどんな瞬間も見逃したくないんだ。
ナッシュヴィルへ引っ越した理由
9:45
I: あなたはトロント出身で、その後長年カリフォルニアで過ごしてきましたよね?ナッシュヴィルに移り住んだ理由は?
P: 正直に話すと、オレはナッシュヴィルのコロナ対策は不十分だと思ってる。
繁華街を車で通るとさ、人々はマスクをせずに列に並んで、ライブバーに入る順番を待ったりしてるんだ。
ああいうのを見ると怖いよ。オレの子供にとっては大きな脅威だ。オレ達はそういうエリアからだいぶ離れた所に住んでるけどね。
ここに越してきたのは「必要だった変化」とでも言うのかな…。
実はここに来る前、またLAに戻るつもりで一時的に2年間ラスベガスに住んでいたんだ。
ところが、ベガスで借りていた家のオーナーが突然家を売却すると言い出して…
まぁ、手短にまとめると、子供を連れて住む場所を考える時、大きな基準の一つがちゃんとした教育・学校の存在になるわけだけど、LAでそれを得るにはあり得ないほど高くつくんだ。
ナッシュヴィルではそれがはるかに安い。それが決めてでオレ達一家はここにいるんだ。
ロックからの影響増加?
12:00
I: これまでカントリーの街として知られてきたナッシュヴィルですが、近年は多くのロックミュージシャンが移住してロックンロール・タウン化し、カントリーミュージック自体にもよりロックの影響が濃くなっていますよね。
(*ちなみに、 Motley Crueのヴィンス・Megadethのデイヴ・Aerosmithのスティーヴンを始め、現在錚々たるセレブ達が住んでいます!)
P: その通りだね。
ここにはほんとにたくさんのミュージシャンがいて、彼らの多くは観光客に向けてプレイしたいんだ。
夕方4時にライブバーに入って行けば、キミが今までに見たこともないようなめちゃくちゃ上手いギタリストに出会えるよ。
ところが、夜になると、どこのバーに行っても”Sweet Child O’ mine” をプレイしてやがるんだ。(誰でも知ってるロックチューンだから!笑)
「おいおい、またかよ!いい加減にしてくれよ…しかもコイツのフレーズは間違えてるし!」みたいな感じでね(笑)
言っておくけど、オレはあの曲自体は大好きだからね!
I: ナッシュヴィルにはたくさんのライブハウスやクラブがありますもんね。
そういった店が無理をせずに、きちんとコロナ対策しながら続いてくれることを願いますよ。また「本物のライブ」が出来る日が来るまで。
P: オレもそう思うよ。早くそういう日が戻って欲しいけれど、オレは焦らないよ。適切にそうなるまではね。
さっきキミもちょっと触れたけど、面白いのはさ、パートナー、夫婦、彼氏彼女…色んな近しい関係において「あなたがこんなに家にいることに慣れてないのよ!」ってなってることだよな(笑)
この状況じゃ誰でもちょっとピリッとしちゃうよな(笑)
(*ちなみに↑の曲のコーラスには、Mr.Bigの助っ人でお馴染みマット・スター、Bullet Boys のマーク・トリエンらが参加しているそうです!)
終/
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