リチャード・フォータス(GNR) × トッド・カーンズ(Slash) #3


スラッシュのバンドのベーシスト、トッド・カーンズが、ガンズで同じくスラッシュと共にプレイしているリチャード・フォータスを迎えてのトーク訳・Pt.3! 



興味深い話ばかりで、なかなかカットする箇所が見つからず大変です(笑)


もうしばらくお付き合い頂ければ幸いです!



今回のテーマは、「とにかくイエス!」「他のギタリストと組むことについて」です。


T: トッド

R: リチャード



全てのオファーに対してイエス!


26:20


*リチャードがセッションや様々なプロジェクトの仕事をするのが好きと聞いて



T: キミのその情熱は素晴らしいと思うな。


これって人生そのものにも当てはまると思うんだけど、多くの人が(オファーに対して)簡単にNoと言うだろ?


「これはかなりの仕事量になりそうだ」とか「難しそうだなぁ」と断ることは簡単なんだけど、そういったものに挑んでいくことは大切なんだよね。



R: 今キミが言ったことは、非常に興味深いんだよ。なぜなら、オレは過去に「Noと言うことを頭に叩き込む」必要があったからさ。


オレがNYに引っ越した時、オレの心は「いかなるオファーに対してもNoと言わない」という感じだった。


タダでプレイすることもいとわなかったよ、そこで結果を出せば次はお金を出して雇ってくれるとわかっていたからね。



T: それって駆け出しの人間にとっては正しい考えだよ。


R: 今でさえそう思ってるんだ。


例えば昔からの知り合いがオレにちょっとプレイして欲しいと頼んできたらさ…


T: 実はこのインタビューは、そういった依頼を募るためなんだよな!(笑)



R: 笑


もし、そういった知り合いがお願いしてきたら「一回は」無料でもやるよ、一回限りはね。


話を戻すと、NYでそういったセッションの仕事をしていた時にものすごく忙しくなってきて、Noと言わないことがすごく難しくなったんだ。


T: でも、それは嬉しい悩みというところだよね。



R: 確かにそうだった。


オレはそこに至るまでの長い間、全てのことに対してYes と答えるようにプログラミングされていたんだ、「これってどうだろう?」とか考えることなくね。


いつも「そんな大ごとじゃないさ、この仕事とこの仕事の合間に出来るはずだ!」みたいな考えだった。


T: 常時2つ3つの仕事を抱えてる状態だろ?(笑)



R: ほんとそうだった。昼間に1~2つセッションをやって、夜は夜で別のスタジオに行ったりね。


オレは長年、パフィ(パフ・ダディ)と一緒に仕事をしてたんだけど、オレがスタジオに着いても彼が来るのは深夜2~3時とかだったからさ、彼が来るまでの数時間の間に睡眠をとってたんだよ。


もちろん、オレの機材はセッティングされた状態でね。そんな生活を一年位続けてたよ。



これはオレが若い頃から身に着けていた労働観念なんだよ。


チャンスを見逃したくないし、こうやって働けることがどれだけラッキーかということも理解しなきゃいけない。


今でもそんな風に思ってるよ。


他のギタリストと組むことについて


33:20


T: オレは先日、Motorhead のギタリスト、フィル・キャンベルをゲストに迎えて話したんだけど、彼があのバンドに加わった時はギタリストが二人の編成だった。


その時に、自分以外にもう一人のギタリストがいる時といない時の違いについて話したんだ。



オレはツェッペリンのライブで、ジミーが一人でギターソロを弾いてリズム隊が少し引っ込む感じが好きなんだけど、スラッシュは逆に、常にリズムギターが鳴ってる上でソロを弾くのを好むんだ。


で、キミがガンズに参加した時にはギタリストが3人いた訳で…


もちろん、レコーディングにおいては、ギターが3本同時に鳴っていること自体は別におかしくもなんともないし、よくあることだ。



でも、ステージでそれをやるのって(難しいけれど)すごくインパクトがあると思うし、あのチームはすごく良い仕事をしてたと思うよ。


R: 特にバケットヘッドとやっていた時はね。彼は一歩下がるべきタイミングをすごく理解していた。


T: それってジャズのスタイルに近いのかな?ジャズの連中って「いつ引くべきか」を理解しているイメージがあるけど。



R: 確かにそういう側面もあるかもしれないけれど、もっとミュージシャン個々の意識の問題だろうね。


ほら、オレ達は常に「全体像」を意識しながらプレイするだろ?スラッシュなんかはまさにそれに長けている典型的な例だと思う。


他のメンバーが前に出るべき時は一歩下がって、自分が出るべき時は前面に出て、「音楽を通して会話する」、そんな感じだよね。



彼は、どのタイミングでどこにオーディエンスの意識が向くかをちゃんと理解してるのさ。


続く…