インタビュー訳シリーズ、現在お届けしているのは L.A.Gunsのボーカル、フィル・ルイス!
今回はそのPt.2、テーマは「トレイシーとの間のリスペクト」「ボーカルのレコーディング」等についてです。
P: フィル
DJ: 進行役
フィル&トレイシー、相互の敬意!
12:15
(*前日のソロでのアコースティックライブについて)
DJ: あなたは昨晩、"Hollywood Forever" をプレイしましたが、あれはいわばLA Guns の隠れた名曲ですよね。
あれを引っ張り出してくれたことは素晴らしかったです。
P: ありがとう。
オレはトレイシー不在の間にリリースしたLA Guns の曲を誇りに思っているんだ。
でも(再結成した今)、ライブで彼に無理やりあの頃の曲を弾かせるのはオレの本望じゃない。
それってさ、彼がオレに(フィルと分裂した後に出した) "American Hardcore" 時代の曲をオレに歌えって言ってるようなものだろ?
あの頃の楽曲は、まるでダイムバック・ダレルが弾きそうなスタイルだったからな。
彼はオレと再び組むようになって、あの頃の曲をオレに歌って欲しいとは決して言ってこない。
オレも同様さ。彼がかかわっていないLA Guns の曲をやろうとは思わない。これはオレ達お互いに対する敬意さ。
でも、オレがソロでやる分には出来ない理由はない。オレが書いた曲なんだからね。
(↓これもなかなかカッコいい曲!)
ボーカル・プロデューサー?
14:00
(近年の作品で共作をしているミッチ・デイヴィスについて)
DJ: ミッチはボーカル・プロデューサーということですが、具体的にはどのような作業をする人なんですか?
P: 現在はコロナの影響でそういったことは出来ないんだけど、オレとトレイシーが再結成してから出した2枚のアルバムは、いずれもNYで彼と一緒にボーカルを録ったんだ。
彼はすごく刺激をくれるプロデューサーでね。
楽器隊のレコーディングが終わると、データがミッチのところに送られて、オレもNYのスタジオに行くんだ。
そこでオレは彼と4日間ほど、ボーカルトラックだけの作業をするんだ。
彼は天才的なソングライターであり、ミュージシャンだ。あと、最も成功しているCMソングの作者でもある。
過去にはアップルのCMの音を手掛けたこともあるし、残念ながら本採用はされなかったけど、彼がフォルクスワーゲンのCMを受けた時には、オレに歌のオファーをくれたりね。
彼はそういう分野で働いている人だ。
彼のスタジオにはたくさんのヴィンテージ機材があって、まるで機材の百貨店みたいな空間さ。
そんな空間で、オレ達はとにかくボーカルのことだけに集中するんだ。
お互いに意見を出し合ったりもするんだけど、彼が何よりも優れているのがエフェクトなんかのアレンジだ。
詳しいことは言えないけれど、彼の手によってあれこれと手が加えられるんだ。
ボーカリストお決まりの技?
16:20
DJ: これは新作に限らずの話ですが、僕は作品で聴けるあなたの声の響き方が大好きなんです。
これまでの作品でも、あなたは1オクターブ下で歌って重ねるアプローチを多用してきましたよね。
P: そうだね、あれはボーカリストがよく使うお決まりのトリックみたいなものだ。
Aerosmithのどのアルバムを聴いても、スティーヴン・タイラーはあちこちでそれをやってるよ。
オレもその影響を強く受けたし、あれによって上手くボーカルの厚みが増すんだよな。
実は、新曲の "Let You Down" では、まさにそれが制作中にカギとなったんだ。
トレイシーはあの曲で、オジーがやるみたいにボーカルをダブルにすることを提案してきたんだ。
でも、あの曲でそれをやると、歌の個性が消えてしまうとオレは思ったんだ。
なので、オレは「まずダブルにせず、いつも通りシングルで歌わせてくれ。それでもダブルにした方が良さそうなら後からそうしよう」と。
オレはダブルにしなくても、良い形に歌えると思っていたからね。
(↓9:05~、他の曲に挿入する形で ZEP の Whole Lotta Love!)
で、その直後だよ、オレ達は初めてのライブストリームであの曲をいきなりライブでプレイしたんだ。ビビったよ。
前日にバンドでリハはやったとはいえ、事前のプリプロダクションとか一切無しだったからね。
続く…
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