インタビュー訳シリーズ、今回はL.A. Gunsのボーカル、フィル・ルイス!!
相棒のトレイシー・ガンズは何度となく登場しているだけに、個人的にはやっと!遂に!という感じです(笑)
特に近年はあまりインタビューを受けていない感じのフィル。昔話から最近の話まで、色々と興味深いことを語っている約二ヵ月前のインタビュー、Pt.1 です。
P: フィル
DJ: 司会者
ドニー・ヴィーからの助言
7:10
DJ: 昨晩のライブについてなんですが、ギターをやっている私の友人が「なぜ昨晩は “Ballad of Jayne” でカポを付けてたんだろう?」って話していました。
あれについて少し話してもらえます?
P: オレは普段レギュラーチューニングのギターを使うんだけど、最近はあの曲で2フレットにカポをはめているんだ。
これは確か、Enuff Z’ Nuff のドニー・ヴィ-から聞いたんだけど、何を弾くにせよ、その方が響きが良い、と。
で、自分でもやってみたところ、確かにそう感じるんだ。
“Ballad of Jayne”をレギュラーチューニングで歌うと、自分の声の低い部分を使うから、しっかりと伝わるように歌うのが難しいんだ。
そこで、キーを上げることで、もう少し細かなニュアンスをしっかりと出せるようにしたい、と思ったんだ。
自分では上手く行ってるように思うんだけど、まぁ、諸刃でもあるよな。
Aメロでは完璧にフィットしてるように思えても、(通常、より高い音が出てくる)サビに到達した時に「あ、ヤバい!」みたいなこともある訳でね。
DJ: 当然、キーが上がってるわけだものね。
P: そうさ、自分が思う以上に上がったように感じることもあるから、そこは注意が必要なんだ。
ベテランでもトラウマ!?
8:15
P: 昨夜はオレにとって二回目のアコースティック・ショーだったんだけど、まだ様子を見ながらセットリストも改善を加えているところでね。
金曜日にもヒューストンでステージに立ったんだけど…もちろん、プレイ出来たこと自体は嬉しかったんだけれどさ、正直あの日は上手く行かなかった。
オレはそもそも、スターバックスがやるような、こじんまりしたインストア・アコースティックみたいなことをイメージしてたんだけど、彼ら(主催側)は、オレをダウンタウンで一番大きな会場にブッキングしてね…。
DJ: ほら、あなたはロックスターだからでしょ?(笑)
P: そう思われるのはありがたいことだけど。でも、そこには大中小と3つのサイズのスペースがあったのに、連中はオレをボールルームでプレイさせてね…
(両腕を拡げながら)ステージときたらこんなにデカかったんだ。
しかも、それは無料公演だったんだぜ?
無料だったからたくさんの人が来てくれたよ。他にやることもないから何が起きるのか行ってみよう、という感じの連中が多くて、必ずしもオレ目当てでそこにいたわけではなさそうだった。
当然、オレのパフォーマンスにそれほど興味がないから、オレが歌い始めようと思ってもあちこちで話してる訳さ。
DJ: それはイラつきますね。
P: 当然さ。オレは自分の頭の中で思い描いてることを具現化して見せるためにステージにいたわけだからね。
オレはその「お喋りの津波」を、戦士のような気持ちで無視しながら続けなければならなかった。
あのヒューストンのショーの後、オレは完全に嫌気がさしてたよ。
で、マネージャーにも伝えたんだ、「オレは次にこんなことが起きたら対処出来ないと思う。まるでライオンの前に差し出されたような気分だ」とね。
すると彼は「わかった。でも、明日のショーはやってくれるよな?」と訊くから、「それはもちろんやる」と言いながらも、内心では少しトラウマだったよ。
「胃の中には蝶がいた」よ、南米の蛾みたいな特大サイズのやつがね。
(*英語で “have a butterfly in one’s stomach” =「胃の中に蝶がいる」⇒緊張する・そわそわして落ち着かない、の意)
本物のファンは違う
10:40
「自分がソワソワするような、挑戦的なことを楽しめ」っていうお決まりのセリフもあるけれどさ、そんなのよくわかんないよな。
昨晩、ステージに出ていくことが怖かった訳ではないけど、いざショーが終わって自分がやったことを振り返ってみると、「わぉ、よくこんなことやれたな…」って思う訳さ。
でも、昨晩のショーはもっとこじんまりとしてアットホームな雰囲気の中、オレの音楽を聴きたくて来てくれた人たちに向けてやれたから、前日とは状況が180度違ったよ。
オレもすごく楽しめたし、ショーもスムーズに進んだよ。唯一、オレが “Ballad of Jayne” を歌い始めた時に、観客が踊り出したことを除いてはね。
それっていつもならクールなことだけど、今のこの(コロナの)状況ではそれは認められないからさ。
続く…
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