デイヴ・エレフソン(MEGADETH) × トッド・カーンズ (Slash)


今回のインタビュー訳は初登場、MEGADETHのデイヴ・エレフソン!


しかも聴き手は Slash のソロバンドのベーシストを務め、マルチプレイヤーでもある トッド・カーンズ!


このベーシスト対談、出だしから非常に興味深く、また私達の仕事や生活にも応用できそうな内容だったので、是非紹介したいと思います!


(*ある程度まとめながら記事にしていますので、全訳ではありません)


D: デイヴ

T: トッド



意外な人物の重い一言


1:15


T: あなたはMEGADETH での活動を軸として、本を執筆したり、自身のオリジナルコーヒーを販売したり、映像作品も手掛けたり、さらにはレコード会社まで…。


これだけのプロジェクトをどうやって同時に進めているのですか?



D: これはMEGADETH が2002年に解散した時のギタリスト、アル・ピトレリからの教えなんだ。


(*この時点で私はスゴイと思いました!)


近年、彼はTrans Siberian Orchestra の中心人物として活躍しているよね。



あのバンドが一度終わった時、僕はまだ38歳で、子供も小さいし様々な(ローン等の)支払いもあった。


気持ちのどこかでは、一つのバンドを20年も続けてきてちょっと一休みだな、とも感じてたけどね。


そこから、人生の次の展開を考えていた時、アルが僕に言ってくれたのが「すべてのオファーに対してイエスと答えろ。選択肢が一つしかないよりダブルブッキングの方がベターだ」ということだった。



デイヴも誘われたあのバンド…


2:30


D: デイヴがこう言ってくれた背景には、こういう話があったからなんだ。


MEGADETHが終わってすぐ、僕にツアーベーシストのオファーをしてくれたのが、アリス・クーパーだった。


(*すごいですよね!有名どころのプレイヤー全員に声をかけてる印象が…笑)



でも、その段階で僕はその先をどう生きていくかまだ全然考えていなかったから、すぐに返事が出来なかった。


時を同じくして、ギターメーカーのフェンダーが僕にアプローチをくれたんだ。


当時僕が住んでいた家から10分ぐらいの所にフェンダーのオフィスがあったんだけど、彼らは新たにベースアンプのチームを作ろうとしていて、そのプロダクト・マネージャーとして僕にオファーをくれた。



僕は当時フェンダーとのエンドースがあったから、彼らもバンドが終わってすぐにその話をくれたんだ、「キミは良い候補者の一人なんだ」ってね。


こういう形で、良い人達が同時に僕に素晴らしい提案を持ち掛けてくれた。


T: 面白いですよね、あなたが違う生き方をしていれば、そんな良い話一つでも降ってこないはずですよ。


D: その通りだと思う。彼ら二組が僕に命綱を投げてくれたんだ。


フェンダーから声をかけてくれたのがリチャード・マクドナルドという男なんだけど、彼はこの後、僕の「人生の師」みたいになってね。



彼はフェンダーで働き始める前、シンディー・ローパーのギタリストをやっていたから、その頃、まさに僕が経験しようとしていたバンドマンからの転身というものを経験済みだったんだ。


そういった話なんかを聞いて「もっと大人になって、責任を背負うべき時が来たのかな」という瞬間だったよ。


それと同時に、アリスのオファーも断りがたかった。アリスの曲はもちろん知っていたし、ツアーに出るのも魅力的だと感じたしね。



でも、自分が50歳を超えた頃に、「オレはツアーにばかり出て家族と過ごす時間もなく、子供たちの成長も全然見てやれなかった」なんていう事態も嫌だった。


こうして僕は、さあ、どうしたらいいんだ…という状況に陥った。



Say Yes!!


5:25


D: 結局どうなったかというと、僕が迷っている間に2つとものオファーが同時に逃げていってしまったんだ。


アリス側からは「すまないがもう待てない。僕らはチャック・ライトを雇うつもりだ」と言われ、フェンダー側からも「もう他のヤツに決まってしまったんだ」と電話があった。



あの時の僕は「これは一体どういうことだ!?こんなに良いオファーの間で迷っていたのに、その両方が消えてしまうなんて!」という感じだった。


これをアル・ピトレリに話したところ…今でも覚えてるよ、彼がニューヨーカーっぽいアクセントでたばこをふかしながら、「そういうもんだぜ、ショービズの世界へようこそ!」ってね(笑)



そこで彼が言ってくれたのが、冒頭の「オファーに対してはとにかくイエスと答えろ」って言葉さ。


この頃僕が学んだ大切なことは…


①オファーに対してはとにかくイエス

②他からの提案に対してオープンで

③いつも笑顔で


といったことだ。



特に③は、例え心の中は笑顔で無くても、外に向けては笑顔でいること。笑顔は相互に伝わっていくものだからね。


終/


Me and Songs

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