ジョン・ボンジョヴィ #1 / 傷や痛みを受け入れる


発売延期となっていた新作が遂にリリースされたBonJovi。


フロントマンのジョンが精力的にメディアの取材を受け始めているので、今日はその中から一つをご紹介。



カナダの放送局CBCのポッドキャスト番組、"q" に出演した際の動画です。


I: インタビュアー

J: ジョン



失わない感覚


2:05 


I: あなたのような成功を収めた人達の中には、日々懸命に働く人たちに思いを寄せることが出来ない人もいます。


でも、あなたには全くそういった問題が無さそうですが、それはなぜだと思いますか?



J: 多分、そういう環境で育ったからだろうね。(ご両親が共働きで勤勉だった姿を見ていた)


自分が手にした成功を当然のものだとも思っていないし、そんなものは儚いものだと知っているんだ。


僕は自分が大好きなこと、つまりソングライティングをやれる幸運に恵まれているけれど、僕はこの素晴らしい特権を「与えられて」きたんだ。


それは、僕がどういう人かではなく、僕がどう行動するか、を示していると思う。



I: どういう意味ですか?


J: 僕はリアリティ・ショーにも出ないし、ボトックスもやらない。髪だってこんな白髪さ。


白髪のロックスターなんてどこにいるよ?(笑)


I: でも、そういったことがあなたにとっては重要なんですよね?



J: 僕の中の一部がそれを重要だとみなしているんだろうね。


僕が憧れたアーティストや仲間の連中は、髪をブラウンに染めるのが好きだったり、定期的にボトックスを注射したり、違う意見を持ってるかもしれないけどね。


単純に、それは僕には合わないんだ。



I: それをあなたから聞けて感銘を受けていますよ。


歳のとり方も、音楽業界での歩み方も、一つだけじゃないということですよね。ありのままでも「”Keep The Faith”=信念を貫ける」と。


おっと、誰に対して”Keep The Faith”と言ってしまったのか(笑)、今のは偶然出た言葉ですからね!


J: 笑



ファンが思う自分の姿


3:45


I: 今の話は、人々にモチベーションや刺激を与えたあなたの過去の曲を思い起こさせるんです。


今回のアルバムの ”Limitless” や、”Keep The Faith” に “Livin’ On A Prayer” 、こういった曲は単にストーリーを語っているだけでなく、人々の魂に火をつけていると思いますがどうでしょう?



J: キャリアのある段階で、僕はそのことについてはっきりと気が付いたんだけど、それと同時に、例え自分が何かに傷ついている時でも、それを表に出さない方が良いんじゃないか?と思うようになってしまった。


だって、ファンの子達は、彼らが信じている僕に傷心してほしくなんてないだろうな、と思ってね。


けれど、そういったことこそが、僕らを人間らしくしてるんだとわかったんだ。傷ついているなら、その傷を見せて然るべきなんだよ。



そういった苦しみの中で、希望や明るいことを見つけようとするからこそ、僕らは人間なんだ。


BonJovi=「希望」


5:05


I: 実際にあなたの中で、自分の苦しみを表に出せないと感じていた時期があったということですか?


J: (実際には出したけれど)、心の中ではそういう想いが実際にあったよ。


人々は、「希望」を期待してBonJoviを見ていたんだ。



僕のキャリアの中で、「あまり楽観的でない」他の音楽ジャンルを外から見ていた時期があったんだけど、その時に僕は「OK、じゃあ僕は『希望』に光を灯そうじゃないか」と思った。


(*ここではっきりと「グランジ」と言わなかったジョンは賢いと思います!翌日には歪曲されて「ジョン・ボンジョヴィ、グランジをディスる!」ですからね…)


そうして、僕らの曲の中に彼らは希望を見出してくれたんだけど、その結果、「もしかして、僕はずっとこのポジティブな光を灯し続けなきゃいけないのか?」とも思ったんだ。



でも、それってリアルじゃないんだよ。


僕らは鏡を見て、自分に「オレは今傷ついてるぞ」って認めなきゃいけない。


そうやって「傷」をしっかりと受け止めることで、僕らはより良い人間になっていくと思うんだ。



続く…