先日、HR/HM界を駆け巡ったエディ・ヴァン・ヘイレンの死去。
言うまでもなく、日本のみならず全世界のロックファンが哀悼の意を表しています。
そんな中、最近自身の写真集 "The Decade That Rocked" を出版して話題となったロック・フォトグラファー、マーク・ヴァイスさんがエディの件でBBCの取材を受けました。
今回は追悼の意も込めて、その訳をお届けしたいと思います。
I: インタビュアー
M: マーク
オンとオフのエディ
0:28
I: 今日はキャリアを通じて Van Halen (以下VH)を撮影してきたマーク・ヴァイスさんとライブで繋がっています。
取材を受けて頂いてありがとうございます。
あなたがエディやVHと仕事を始めたきっかけはどのように?
M: 1979年、彼らが2枚目のアルバムを出して各地のホールをソールドアウトし始めた頃ですね。
当時僕は19歳で、(フォトグラファーとして)Circus magazine と契約していたのですが、彼らを撮影できることになってすごく興奮しましたよ。
ライブでは観客の盛り上がりもすごくて、バンドはまるでアレックス、エディ、デイヴ、マイケル、4人全員ともがフロントマンのような存在感でした。
彼らは僕があの雑誌のために撮影した最初のバンドの一つでした。
I: 彼はライブ中とオフステージではどんな感じの人でしたか?
M: 彼はオンとオフ、あまり差がないように見えましたよ、いつも笑顔の人でしたからね。ほんとに笑顔を絶やさない人だったんです。
自分がやりたいことをやっている時はもちろん笑顔ですし、自分の気があまり乗らないことをやる時でも、彼は笑顔のままでした。
いつも一緒にいる人を居心地よくさせてくれましたし、(自分のように)外部の人間が来ても、僕らもまた仕事のためにそこにいてるんだ、ということを理解してくれていました。
なので、彼らの楽屋にお邪魔した時でも、僕を邪険に扱うことなく撮影させてくれましたよ。
そうやって僕らは何十年にも渡って、素晴らしい関係を築いてきたんです。
与えられた才能を最大限に
1:50
I: 彼はカメラの前でもいつも自然体だったんですか?
M: 彼は決して写真を撮られるのが好きというタイプではありませんでしたが、撮影ではいつでも協力的でした。
「もう少し右!左!」とか、僕のリクエストにちゃんと応えてくれましたし、そういう時でもずっと笑顔のままでした。
それはステージでも同じで、彼はいつも笑顔で演奏を楽しんでいましたよ。
I: この数時間だけでも、各方面から素晴らしい弔意が寄せられていますよね。
彼らと同じ時代を生き、その音楽的能力の高さに感銘を受けた人達、さらには後追いで彼らのことを知って影響された世代からも。
M: その通りですね。
彼はこれまでにも既に歴史的なプレイヤーでしたが、今後も歴史に名を遺すでしょうし、これからの世代にも受け継がれていくことでしょう。
それほどの才能の塊でしたから。
一部の人達は生まれながらにして才能を与えられますが、彼は自らの努力によって、それを最大限にまで高めたのです。
ロックスターのイメージ
2:50
I: 彼について回った「ロックスター」のイメージというのは、あなたから見てしっくりきますか?
M: 私は、彼自身が「オレはロックスターだ!」みたいに考えていたとは思わないですね。世間のそんなイメージが彼に何らかの影響を与えたとも思わないです。
彼はプライバシーを好みましたし、ファンが近寄ってきた時には快く応じていましたしね。
もちろん、彼は世間からロックスター扱いされていることは理解していましたが、自分から望んでそういう存在になろうとは思っていなかったと思いますよ。
彼は単純に作品を作り、人前でプレイすることが好きだっただけのように思います。
素晴らしい思い出
3:20
I: エディのことで何か素敵な思い出はありますか?
M: その昔、MTVが "Lost Weekend" というコンテストを開催したことがあって、ニュージャージーとペンシルヴェニアのファン2人が選ばれ、コンサートを見た後バンドとパーティーをするという企画があったんです。
僕もそれに同行したんですが、あれは最高に楽しかったですね。
僕がバックステージでエディの写真を撮影していると、ヴァレリー(当時の奥さん)が知らずに入って来て「あ、ごめんなさい」って言うので、「いや、是非エディと一緒に写真に入ってよ」と言って撮らせてもらいました。
彼女はタバコとビールを持って、エディと一緒に写真におさまってくれましたよ。(↓3:57)
こういった写真は本当に素敵な思い出で、このエディとヴァレリーの写真は、つい先日 "The Decade That Rocked" という写真集を出すまで、ずっと公開してこなかった一枚なんです。
I: あなたがエディと過ごした個人的な思い出までお話頂いて、今日は本当にありがとうございました。
終/
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